指名漏れから成長、ENEOS・度会隆輝選手、三菱重工West・竹田祐投手、JR西日本・石黒佑弥投手

社会人のドラフト候補では、ENEOSの度会隆輝選手も横浜高校時代に指名漏れを経験しており、他にも三菱重工West・竹田祐投手、JR西日本の石黒佑弥投手も指名漏れの悔しさをバネに、今年のドラフト会議での指名を待つ。

ドラフト指名漏れ

ENEOSの度会隆輝選手は、ドラフト上位候補として指名は確実と言って良い。それでもドラフトを前に「ドキドキしているというか、楽しみだなという気持ちもありますし。ドキドキがどんどん、ドラフトが近づくにつれて強くなっています」と話した。

度会選手は横浜高校時代に1年時から二塁手として活躍し、3年時にはプロ志望届を提出して指名を待ったものの、指名漏れとなった。「とても悔しかったです。でもあの指名漏れがあったからこそ、ENEOSさんと出会えて、大久保監督、指導者、仲間と出会えて自分の成長に繋がっています」と話し、「あの指名漏れはただ悔しかっただけじゃなくて、自分の今後の野球人生においてすごく大切なものだったと改めて思います」と、大きな成長の糧になったとした。

指名漏れ後に「社会人野球は3年間でプロに行くチャンスがある。大学だと4年かかるものが社会人だと1年早く行ける。そこが一番大きかった」と社会人野球を選択、1年目春のスポニチ大会でホームランを放ち、”指名漏れ”という印象を一掃する活躍を見せた。また、2年目の都市対抗野球では橋戸賞、若獅子賞、打撃勝などを受賞する活躍で「最高な時間が多かったなあと。すごくいい経験ができていますし、自分の野球人聖においてステップアップするための大切な時間です」と話した。

三菱重工West・竹田祐投手も指名を待つ。履正社では同学年の安田尚憲選手が千葉ロッテに1位指名された。そして明治大に進むと4年間で11勝を挙げる活躍でプロ志望届を提出したものの、ドラフト当日は丸山選手がヤクルトに2位指名を受けたが、竹田投手は呼ばれず、「自分だけ行けなかったのは悔しかった」と話す。

しかし、「自分がたどってきた道なのでしかたない。ベースを変えずに頑張り続けるだけ」と三菱重工Westの1年目では秋の日本選手権で素晴らしい投球を見せ、今年の社会人投手の上位候補と評価された。しかし、今年の春先にフォームを見失い、「苦しい時期が続いてしんどかった」と話す。それでも9月27日の阪神2軍との練習試合で4回1失点と好投し「元の状態にもどりつつある」と話す。

JR西日本の石黒佑弥投手は星城高校時代にセンバツ優勝の東邦高校に勝利して話題となったが、社会人野球に進んで2年間は体力づくりに励んだ。指名解禁となった高卒3年目の昨年は5球団から調査書が届いたものの指名はなく、「まだチャンスはある」と今年にかけて変化球を磨いた。今年も5球団から調査書が届いている。

他にもパナソニックの久保田拓真捕手も関西大4年春にホームランを量産して注目されたが、ドラフト会議では指名漏れしている。また大学生でも九州共立大の木村仁投手は、北九州高校でプロ志望届を提出しながらも指名漏れし、大学では今年、侍ジャパン大学代表にも入るなど成長してドラフト会議での指名を待つ。

ドラフト会議の指名には様々な想いが交差する。もちろん指名された選手は、これまでの経験やお世話になった人などへの感謝と共に、これからプロという厳しい戦いに挑戦していくタイミングとなるが、指名漏れとなった選手にも次を目指すきっかけになる。指名漏れをきっかけに成長した選手が、目標に到達することを祈りたい。