昨年にドラフト候補として、侍ジャパン大学代表の主将としても活躍した早稲田大の捕手・印出太一選手が三菱重工Eastでプロ入りへの思いを語っている。
「プロの世界で戦えるか否かの判断をされるのが、ドラフト会議だと思っています」
印出太一選手は中京大中京高校時代からプロが注目している捕手で、183cmの体から二塁送球1.8秒の送球を見せる。大学でも2年春からレギュラー捕手となり、3年、4年と早稲田大の正捕手としてプレーすると、72試合に出場すると通算5本塁打を放ち、昨年は春に打率.375、秋も.360を記録、リーグ通算84安打まで延ばした。
また、早稲田大で主将を務めると、侍ジャパン大学代表にも選ばれてそこでも主将となり、プラハやハーレムの大会を戦って優勝をしている。チームをまとめる力がありプロも注目をしたが、プロ志望届を提出して指名を待ったドラフト会議では、吉納翼選手と山縣秀選手が共に5位で指名を受ける中で、印出選手は名前を呼ばれなかった。
その後、社会人野球の道を探すと、これまで早稲田大から入部した例の無い三菱重工Eastに進むことを決めた。「自分を必要としてくださる熱き思いを感じたからです。ここで野球選手として頑張っていきたいという思いが強くなっていきました。早稲田から三菱重工Eastへの入部は旧三菱重工横浜野球部から含めても、お前が一人目じゃないか?と言われます。これから、切り拓いていきたいと思います」と話す。
ドラフト会議後には、「プロの世界で戦えるか否かの判断をされるのが、ドラフト会議だと思っています。自分はそこにかからなかった。それだけの実力、プロに入ってからのビジョンが見えなかったからこその指名漏れだったと受け止めています」と話し、「ドラフトは巡り合わせだ、補強ポイントとの兼ね合いだとドラフト後に声をかけてくださった方もいました。でも自分は、かかるだろうではなくこいつはかかるに違いないという、昨年なら宗山や金丸のような実力がなくてはいけないと思っています。同期の吉納や山県が指名されたのは、うれしい気持ちでした。4年間、一緒に戦ってきた仲間ですから。2人の活躍はこれからも注目して見ていきたいし、僕も目指せるチャンスはある。出遅れても、これからしっかりやっていきたいと思っています」と話し、「三菱重工Eastというチームで、都市対抗と日本選手権を勝てるように、1日も早くチームの一員になっていきたいと思います。正捕手を目指して頑張りたい。個人的には、大卒で行けなかったプロを目指していきます」と、新たにプロ入りへの決意をした。
中京大中京では、同学年に高橋宏斗投手(2020年、中日ドラフト1位)と、中山礼都選手(2020年、巨人ドラフト3位)がおり、公式戦28連勝でこの年の最強チームと言われた。しかし、新型コロナの影響により出場予定だったセンバツが中止となり、夏の大会も中止となった。甲子園で行われたセンバツ代替大会の甲子園交流戦では智弁学園を相手に延長11回タイブレークで勝利し無敗のまま終えた幻の最強チームの主将だった。
高校、大学、大学代表で主将を務めるのもその人格によるものだろう。あとはプロで戦えるための強さ。個人的にも評価としては、打撃でも守りでも高いレベルであることは間違いないが、プロでやる時に他の捕手を抑えて1軍でプレーできるのかと考えた時に、ストロングポイントがどこにあるだろうと考えてしまう。
高校でも大学でもチームメイトがプロへと進んでいる。守備でも打撃でも、「やっぱり持っているものが違う」という感じさせるプレーを見せつけて欲しい。



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