社会人野球の日本選手権近畿地区最終予選が15日に開幕し、三菱重工Westのプロ注目左腕・中澤嶺投手(23)が登板。最速148キロを計測し、視察した千葉ロッテ、巨人・ヤクルトなどNPB4球団のスカウトにアピールした。チームはコールド勝ちで初戦を突破した。
エラー絡みで失点も、最速148キロで片鱗見せる
6回から2番手としてマウンドに上がった中澤嶺投手は、不運な形で失点を喫した。先頭打者を味方のエラーで出塁させると、タイムリー二塁打と、さらにエラーが絡んで2アウト1,3塁となってから、146キロのストレートで飛球としたものの外野手の前に落ちるタイムリーヒットで追加点を奪われ、1回2安打2失点(自責点0)だった。「エラーがあっても抑えられるような、野手から信頼される投手になりたい」と反省を口にした。
それでも、この日の最速148キロを計測し、最後の打者には、今季から取り組んでいるという右打者の内角に食い込む144キロの直球で見逃し三振を奪い、マウンドを降りた。「出力は上がってきたと思う。あとは細かい制球を詰めないといけない」と、手応えと課題の両方を口にした。
ロッテ、巨人など4球団が視察
この日のスタンドには千葉ロッテ、巨人、東京ヤクルトなどNPB4球団のスカウトが視察し、ドラフト候補左腕の投球に熱視線を送った。スカウトの存在について中澤投手は、「オープン戦などにもスカウトの方が見に来てくださるが、そこは意識せずに、自分の球を投げ切れれば、プロは見えてくるかなと実感しているので、試合の中で自分のボールを投げ切りたい」と話し、プロ入りのためにアピールを続けるとした。
都市対抗予選敗退の悔しさバネに
三菱重工Westは、今年6月の都市対抗予選で敗退し、5年ぶりに本大会出場を逃す悔しさを味わった。その反省から、夏場は例年の倍以上の時間を守備練習に割いてきたという。この日はルネス紅葉スポーツ柔整専門学校との対戦で17-2と勝利し、悔しさをバネにチーム一丸で臨む。中澤投手もその中心として、チームを勝利に導く投球で、自らの夢も掴み取る。
龍谷大卒の左腕投手で、今年の都市対抗本戦に出場できなかったことから、プロのスカウトもその力を見に訪れたと見られる。今年はサウスポーのドラフト候補がやや少なく、非常にチャンスでもあるので次の登板でその力を見せつけたい。三菱重工Westからは昨年に竹田祐投手がドラフト1位で指名されており、その場面は中澤投手に強烈な印象を与えていると思う。竹田投手がプロで結果を出し始めており、その背中を追いかけたい。
中澤 嶺 プロフィール
- 氏名:中澤 嶺(なかざわ りょう)
- 所属:三菱重工West
- 出身:比叡山高校 – 龍谷大学
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:179cm・83kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。最速150キロを誇る本格派左腕。キレのあるストレートで打者を押し込む投球が持ち味。






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