苫小牧駒大が全国へ、伊藤大海投手が選手権の舞台に

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苫小牧駒大の154キロ右腕・伊藤大海投手が全国の舞台に登場する。優勝を争った最後の旭川大とのカードでは1戦目に15奪三振、2戦目は18奪三振を記録した。

8季ぶり

苫小牧駒大は2014年に151キロ右腕の吉岡慎平投手(ecoaハウス神出設計)を要して大学野球選手権に出場しており、その後は選手が少なくなり7季連続でリーグ戦でも3位以下に沈んでいた。しかし、その2014年の春のセンバツで駒大苫小牧で1勝を挙げている右腕・伊藤大海投手が、チームを浮上させた。

伊藤投手は駒大苫小牧の2年生のセンバツで甲子園に出場すると、1回戦の創成館戦で9回3安打完封勝利を挙げている。その後、3年生で甲子園出場はならず、高校を卒業すると東都の駒沢大に入学した。1年生で2部リーグながら、春・秋のリーグ戦に登板するなど期待をされたものの、1年生の秋に駒大を退学し、苫小牧に戻る。そして2017年の4月に苫小牧駒大に入学する。

規定により1年間は登板ができず、今年春に公式戦出場が解禁となったが、この春のリーグ戦でで150キロ超の速球を連発し、8試合に投げて6勝0敗の圧倒的な成績でチームを8季ぶりの優勝に導いた。優勝のかかった旭川大とのカードでは、1戦目に6回コールド15奪三振で勝利、最速154キロを記録し注目を集めると、2戦目も9回6安打無四球で無失点、18の三振を奪う快投で2-0で勝利した。

150キロを超える速球に「消える」というスライダーを投げ、甲子園に続き、大学生の全国の舞台でもある神宮のマウンドに立つ事となった。紆余曲折あり1年間は公式戦に出場できなかったものの、駒澤大より一足先にチームを全国に導いた。

大学も運営危機

苫小牧駒大にとっても最後の出場となるかもしれない。駒沢大が北海道の拠点として、駒大岩見沢、駒大苫小牧と共に運営していた大学だが、運営が苦しくなっており、学校法人の京都育英館に譲渡する事が決まっている。今年の入学者数は2学部でたった10人のみで、経営の移管が進められており、苫小牧駒大の名前も変わる事になりそうだ。

ちなみに京都育英館は中国人留学生のための日本語学校を運営しており、東大などにも合格者を送り出す学校として注目もされている。

2年生の伊藤投手、これからどんな運命が待っているのかが気になる所だが、あと2年間、精一杯野球ができる環境が続いてほしいし、2年後の秋にはドラフト会議で指名される姿を見たい。

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前日26日の旭川大戦も先発し、6回15奪三振無失点でコールド勝ちに貢献した。この日も150キロを超える直球に90キロ台の変化球を織り交ぜ、相手打線を手玉に取った。1点リードで迎えた6回1死二、三塁のピンチにも動じない。「自分がゼロで抑えれば負けることはない。三振を狙いにいった」と、一気にギアを上げて連続三振。毎回の18奪三振の力投に、大滝敏之監督(64)は「苦しい展開でしたが、大海が粘り強く投げてくれた」とたたえた。

伊藤の加入で、チームは目覚ましく変貌した。東都1部の駒大を退学した剛腕が、昨年4月に入学。規定で1年間は公式戦に出られなかったが、“裏方”として支えた。自ら打撃投手を志願。「7、8割でも速いしスライダーは消える。引きつけて打てるようになった」と若松大地主将(4年)=駒大苫小牧出=。1登板で打者20人を回し、トップレベルを体感してきた。打者に投げ続けたことで、伊藤も「(変化球の)落としどころをつかんだ。それが三振数につながった」。相乗効果で、チームは成熟した。

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