福岡大準硬式で最速153キロの速球を投げて注目されていた大曲錬投手が、開幕した九州準硬式リーグで九州大戦に先発し、最速151キロの速球で6回ノーヒット13K無失点の投球を見せた。
151キロ記録
大曲錬投手は今年、新型コロナウイルスの影響によりオープン戦を1試合も行う事ができずにリーグ戦開幕を迎えた。それでもこの試合では初回にこの日の最速の151キロを記録すると三者連続三振の立ち上がりを見せる。その後も150キロ前後のストレートがうなりを上げ、6回まで許したヒットは0本、2つのエラーと1つの四球でランナーを背負ったものの、13個の三振を奪い、無安打無得点に抑えた。
それでも「まだ自分が思ったような投球はできていない。これから投げていくうちに良くなると思う」と厳しく自己採点をした。大曲投手は西日本短大付出身で当時は2番手で横から138キロの球を投げる投手だった。しかし、左投手を抑えるのが苦手だったと、福岡大準硬式に入部するとオーバーハンドに改造し、2年生の夏には150キロを記録した。「2年生ぐらいから急に伸びてきて、昨年は気持ちの充実して一番良かった」と話し、昨年夏に153キロを記録した。
プロスカウトも高い評価
この日はプロ7球団のスカウトが視察をしたが、中日の三瀬スカウトは「体のバランスもいいし、コントロールや柔らかいフォームもいい。投げ方が柔らかくアウトローに決められるコントロールもいい。バランスも良くて魅力的な素材」と話すと、阪神の田中スカウトも「肘の使い方がいい。プロになりたいのならここからどれだけ頑張れるか。硬式球で同じ球を投げられたら、上位候補にもなりえる」と話し、バランスやフォームについても高い評価を示した。
大曲投手は「今年日本一になってプロを目指したい」と話し、まずは準硬式の日本一を目指す。そしてタイミングを見て硬式での投球を見せるのではないかと思う。
準硬式からは2016年のドラフトで、東北楽天6位で帝京大準硬式で149キロを記録した左腕の鶴田圭祐投手が、また育成ドラフト4位で関西学院大準硬式で147キロを記録した右腕の坂本工宜投手が指名されたが、いずれも既に戦力外となっている。
指名される可能性は高いとみられるが、プロで活躍ができる投手になってほしい。
ネット裏のスカウト陣の評価は違った。中日の三瀬幸司スカウトは「投げ方が柔らかくアウトローに決められるコントロールもいい。バランスも良くて魅力がある」と評価。阪神田中秀太スカウトは「硬式球で同じ球を投げられたら、上位候補にもなりえる」と“未知数”を考慮した上で素材の良さを口にした。
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