最速151キロの速球を投げ、ドラフト上位候補として注目される、関西学院大の黒原拓未投手が、大学野球選手権の松山大戦で先発し、7回8奪三振1失点の好投を見せた。この試合には12球団スカウトが視察し、阪神は蔦村球団本部長など8人態勢で視察した。
絶好調ではなかった
今春のリーグ戦では球場のスピードガンで157キロを記録、本人は誤計測ではないかと笑ったが注目された速球派左腕投手の黒原拓未投手は、各イニングで140キロ後半を記録、最速は150キロの強い球を見せた。
それでも球が高めに浮き、「絶好調ではなかった。」と話す。2回には3つの三振を奪ったが、4回には4安打を浴びて1失点した。それでも、春のリーグ戦で快投を見せた左腕は、5回以降は変化球を中心にするとその後は1安打に抑え。7回を5安打8奪三振1四球で1失点にまとめ、大学57年ぶりの選手権での勝利を挙げた。
この日は12球団のスカウトが視察をしたが、阪神は蔦村球団本部長、畑山統括スカウトなど8人態勢で視察、ドラフト上位候補として名前の挙がる黒原投手をクロスチェックすると、蔦村氏は「全国的に大学、社会人でいい左投手が数人いる。その中の1人。高校生も含めて、色々見て決めたい。」、畑山氏も「左であれだけの球速はなかなかいない。本来はコーナーに、両サイドに投げられる。左投手が今年はいます。スカウトの間でもクロスチェックをしながら決めていきたい。ランクもこれから。見られて良かった。」と話した。
他にも、
オリックス・牧田編成部副部長:「序盤は力みがあったが、チームを全国に連れてきたという思いをマウンドで出せている。左腕として引き続き注目して見ていきたい。」
オリックス・山口スカウトグループ長:「評判通りの投手。能力の高さ、序盤の状態から修正できる上位候補の左腕」
千葉ロッテ・永野スカウト部長:「中盤以降は変化球でカウントを早く取って真っすぐで勝負できていた。球の力があり、スピードの出る投げ方をしている。左でこれだけのボールが放れて、カウントを取れるボールもある投手はなかなかいない。左がほしいチームでは上位に推される素材」
横浜DeNA・安部スカウト:「真っすぐにいい球があるし、変化球もいいものを持っている。変化球も使い始めた5回くらいから本来の投球をできていた。指名の上位候補になってくるでしょう」
巨人・榑松スカウト統括:「球の強さが一番の魅力。ドラフト上位候補に入ってくる」
東京ヤクルト・小川GM:「試合を作れる左投手。序盤、抜ける球が多かったが修正ができ、後半は変化球主体で抑えた。現時点では上位候補かな」
中日・山本チーフスカウト補佐は:「去年までは真っすぐばかりだったが、4年になって変化球をうまく使えるようになった。上位候補でしょう」
どの球団のスカウトからも「上位候補」と評価された左腕。この日は状態は良くなかったが、それでも結果を残す投手としての強さを見せた。秋は昨年の早大・早川投手のように、まだストレートも強くなるかもしれず、それ次第では1位指名確実の投手になってくる可能性もある。

▽ロッテ永野プロ・アマスカウト部長 左でこれだけの真っすぐを放れて、空振りを取れる球がある。投げ方も悪くない。
▽DeNA安部スカウト 真っすぐにいい球があるし、変化球もいいものを持っている。変化球も使い始めた5回くらいから本来の投球をできていた。
▽阪神畑山アマ統括スカウト 左投手で球速も出る。本来はコーナーに、両サイドに投げられる。左投手が今年は(ドラフト候補に)います。クロスチェックをして、ランクもこれから。見られて良かった。
ネット裏には全12球団のスカウトが大挙。阪神は今季最多の8人態勢でチェックし、同大出身の嶌村聡球団本部長は「いい左投手は数名いるので、高校生も含めて精査したい」と上位候補であることを示唆した。畑山俊二統括スカウトも「左であれだけの球速はなかなかいない。スカウトの間でもクロスチェックをしながら決めていきたい」と高評価。今春リーグ戦でもMVPを獲得した即戦力左腕の“市場価値”は、ここにきて急上昇している。
2017年の立大59年ぶりに次ぐブランク勝利に導いたのは黒原だった。ソフトバンクのスピードガンで自己最速まで1キロに迫る150キロを計測。「絶好調ではなかったけど、全国の舞台で恥ずかしい投球はできない」と7回を5安打1失点にまとめた。巨人の榑松(くれまつ)アマスカウト統括は「球の強さが一番の魅力。ドラフト上位候補に入ってくる」、阪神の嶌村球団本部長も「直球の威力がある。いい投手の何人かの1人には入る」と、ともに高評価した。
この日は12球団のNPBスカウトが集結。阪神は8人態勢で熱視線を送った。畑山統括スカウトは「球速も十分だし、上の舞台でも仕事ができる投手」と太鼓判を押した。
智弁和歌山高3年夏に甲子園に出場。今春の関西学生リーグでは8試合に登板して5勝を挙げた。防御率0・88で、28年ぶり選手権出場に大きく貢献したした173センチ左腕。中日・山本チーフスカウト補佐は「去年までは真っすぐばかりだったが、4年になって変化球をうまく使えるようになった。上位候補でしょう」と評価した。


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