大学野球選手権では東都王者の青山学院大が登場し、注目の153キロ右腕・下村海翔投手が国際武道大を6回4安打1失点に抑える好投を見せた。12球団のスカウトが視察し、巨人の桑田ファーム総監督や東京ヤクルト、中日の幹部クラスが評価した。
血豆
青山学院大で春にエースとしてチームを優勝に導いた下村海翔投手、この日も最速151キロの威力あるストレートを投げ、スライダーで打ち取ってゆき、リーグ戦ではあまり投げていなかったフォークボールも使って抑えていく。
しかし3回、投球時に中指に血豆ができ、「気にしてしまい、バランスを崩した。爪が割れたり、足がつりそうになったりと、普段にはない疲労感がありました」と、本調子ではなかった。6回まで97球を投げて4安打6奪三振1失点に抑えたものの、試合後には「納得がいかない。こんなもんじゃない。」と反省の言葉で投球を振り返った。
それでもこの日視察した12球団のスカウトからは、
東京ヤクルト・小川GM:「完成度が高い。制球が安定しているし、球そのものの精度も高い。ゲームを作る能力という意味では評価は高い」
中日・米村シニアディレクター:「力強い真っすぐ、カット、カーブ。どれも素晴らしかった。上位指名でないと、どの球団も取れないと思っているんじゃないでしょうか」
と評価が聞かれ、ドラフト上位候補と評価が定まった。また、巨人は桑田ファーム総監督が視察し、174cmと体が大きくなく「一緒ぐらいだと思う」と自身になぞらえた上で、「非常にいいですね。球質もいいですし、マウンドさばきもいい。バネがあって、非常に楽しみな投手だと思いますよ」と高く評価した。
桑田氏は「発掘と育成は両輪。スカウトの人たちと行動をともにして、コミュニケーションを取っていくということです。一緒に力を合わせて発掘して、育成していきましょうということ」と話し、発掘と育成を共に行っていくと話した。
下村投手も「プロを目指してやっているので注目されているところで投げられるのは僕にとってチャンス」と話した。しかし、「今は個人の結果よりもチームの勝利。チームを勝たせるピッチングを評価していただければ」として、チームを日本一に導くことに集中している。
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