東都リーグ1部では、国学院大の153キロ左腕・武内夏暉投手と、東洋大の158キロ左腕・細野晴希投手の、大学最高峰の左腕投手が激突し、日米13球団のスカウトが視察した。
大学最高峰の左腕の投げ合い
これだけの左腕投手が同じ年の2人もいるのは珍しいが、この二人が同じリーグで対戦した。
国学院大の153キロ左腕・武内夏暉投手は「相手が細野というのもあって、先に点を与えないことを意識して粘り強く投げました。一番気合が入りました」と話す。この日は最速151キロのストレートにスライダー、カーブなどをしっかりと投げきり0点に押さえていく。
8回に味方がスクイズで1点を奪うと、9回117球を投げて7安打5奪三振2四球で完封した。「直球がよかったですが、カーブもスライダーも、いつもに増してよかった。」と話し、自己採点を「80点。まだ思ったところに行っていないボールがあったので」とした。
東洋大の158キロ左腕・細野晴希投手も「左でいいと言われているので、負けられないという気持ちは強かった」と話す試合に臨んだ。序盤に制球が安定せず、2回には1アウト満塁のピンチとなった。しかし、そのピンチを三振とショートゴロで抑えると、その後は立て直して0を並べていく。
8回に味方のエラーで1アウト1,3塁とし、スクイズを決められて1失点し、8回3安打7奪三振1失点と力を見せたが、「ランナーを出しながらだったので、野手も攻撃に移りづらかったかなと思う」と反省した。
最高峰の試合は1-0と予想通りのロースコアの戦いとなり、武内投手に軍配が挙がった。
スカウト評価
この日は日米13球団のスカウトが視察した。武内投手には、
埼玉西武・渡辺GM:「ゆったりしたフォームからピュッと腕を振ってくるから、速さを感じる。」
北海道日本ハム・山田スカウト顧問:「落ち着いた投球で制球がいい。安定した投手」
東京ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク:「球の強さは健在です。ツーシーム、フォーク、スライダーとのコンビネーションもいい」
千葉ロッテ・榎アマスカウトディレクター:「右、左の内角に投げられる真っ直ぐがいちばんいい所。あの球を使えることで投球のバリエーションが広がっている」
中日・正津スカウト:「左打者の内角に投げきれるのが彼の特徴。制球もいいし、器用ですね」
と評価し、細野投手には、
東京ヤクルト・小川GM:「ボールが荒れることもあるけれど、そこも彼の持ち味。能力は高いし、ボールは一級品。持っている力をどう生かしていくかが大事になる」
千葉ロッテ・榎アマスカウトディレクター:「試合勘、勝負勘がよく、要所要所で投げられる」
と評価した。西武・渡辺GMは両投手をドラフト1位候補に「入ってくるのは確か」とし、「見応えがある投手戦だった。両投手ともすぐにローテに入れる」と話した。
3回戦になれば最後の激突となるかもしれないが、特に武内投手は昨年から今年の成長がものすごく、ドラフト1位で競合する所まで挙がってきた。二人とも特徴をもつ左腕投手で、その特徴を活かしながらプロでどのような投手になっていくのか注目される。









コメント