今秋のドラフト候補、明治大の高須大雅投手が国学院大とのオープン戦に登板し、巨人、福岡ソフトバンク、中日など複数球団のスカウトが視察する中で、3イニングを1安打無失点に抑えた。しかし、本人も戸塚監督も「もう少し」と厳しい評価を示した。
スカウト集結、3回無失点も「まだバラつきがある」
春に調子が良くなく、アピールできずに終わった高須大雅投手だが、肩のコンディション不良により、8月6日の中京大戦からオープン戦でも登板がなかった。この日の国学院大とのオープン戦で、約1ヶ月ぶりの登板となった。ネット裏には巨人、福岡ソフトバンク、中日など複数球団のスカウトが集まり、その状態に視線を送ったが、先発し3回を1安打無失点と結果としては良かった。
しかし内容でいくと、最速は149キロにとどまり、変化球の制球も乱すなど、本調子には程遠い内容で、高須投手自身も「まだバラつきがありすぎました。もう少し上げていかないと」と自己評価は60点とした。また、戸塚俊美監督も「もう少しかな」と厳しい表情で、完全復活にはまだ時間が必要との見方を示した。
高須投手は192cmの長身から153キロの速球を投げ下ろす投手で、静岡高校時代から長身右腕として注目されていた。明治大に進むと2年春のリーグ戦で登板し、3年生となった昨年春のリーグ戦では3勝1敗、防御率1.38を記録し、最優秀防御率と最多勝を獲得している。
そしてその夏の侍ジャパン大学代表選考合宿に参加すると、そのまま代表入りを果たし、プラハ大会では台湾戦で先発して3回1/3を2安打3奪三振2失点に抑えて勝利、そしてハーレム大会でも初戦のアメリカ戦に先発して4回4安打2失点とまずまずの投球で勝利に貢献した。
順調に行けば、今年のドラフト候補として上位指名の可能性も考えられたが、今春のリーグ戦では7試合に登板して1勝2敗、防御率6.87と大きく低迷してしまい、この秋にどれだけの投球ができるかに注目されている。
東京六大学リーグで通算4勝4敗、実績的にはやや厳しいものの、昨年のドラフト会議ではリーグ通算3勝1敗で、40回2/3しか登板のなかった明治大の浅利太門投手が、北海道日本ハムのドラフト3位で指名されている。高須投手は浅利投手よりも身長があり、球速も153キロで浅利投手と並ぶなど、ポテンシャルを評価するならば、同じ位の評価になってもおかしくない。
いずれにしてもコンディションをこの秋のリーグ戦でどこまで良くし、そして本人も納得するような投球ができるようになるか。明治大は代表でプレーした小島大河選手や榊原七斗選手がおり、左腕の毛利海大投手が春に6勝を挙げたものの、春のリーグ戦で早稲田大に追いつかれ、優勝決定戦で敗れて優勝を逃している。早稲田大の4連覇を阻止するためにも、高須投手や大型左腕の久野悠斗投手、そして春にリリーフで奮闘しながら、故障をしていた大川慈英投手の復活が必要だ。そしてその投球で自らの道を切り拓いていく事になる。
高須 大雅(たかす たいが) プロフィール
- 所属:明治大学(4年)
- ポジション:投手
- 経歴:静岡高
- 主な特徴や実績:今秋のドラフト候補右腕。オープン戦で3回無失点と結果は残したものの、本人は納得のいかない様子だった。

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