東京六大学野球秋季リーグで、立教大が法政大と3回戦を戦い、接戦を制して貴重な勝ち点を挙げた。試合を決めたのは、2年生の小林隼翔内野手(広陵)。0-0で迎えた8回に均衡を破る決勝2ランを放った。侍ジャパンU18日本代表で主将を務め、U18W杯で悲願の世界一となった力で、まずは立教大17季ぶりのリーグ優勝を目指す。
“無欲”の一振り、均衡破る決勝2ラン
息詰まる投手戦の均衡を、2年生のバットが破った。0-0で迎えた8回2死二塁の好機、小林隼翔選手は高めの直球を強振。「打った瞬間、入ったな」と確信する完璧な当たりは、左翼席へ飛び込む今季2号、通算6号の決勝2ランとなった。春は本塁打を意識しすぎて不振に陥った反省から、「欲を出さない方が打てる」と、つなぐ意識で打席に入った無欲の一振りだった。開幕3試合で打率5割、2本塁打、5打点と、頼れる2番打者として最高のスタートを切った。
母校と母へ、結果で示す覚悟
その一振りには、様々な思いが込められていた。母校・広陵は今夏の甲子園を不祥事で途中辞退。OBとして「世間からいろいろな見られ方がある。自分たちにできるのは野球で結果を残すことだけ」と、活躍で母校の名誉を示すことを誓う。
そしてもう一つ、大きな原動力となっているのが、女手一つで育ててくれた母・優さんの存在だ。野球にかかる費用を支えてくれる母へ、「必ずプロになってそこで活躍して、返したいです」と感謝を口にする。そのストイックな姿勢は野球以外にも及び、「自分はプロに行って活躍してメジャーまで行きたいっていう夢がある。遊びたいとか思わない」と語る通り、野球と学業に全てを捧げている。
元U-18主将、目指すは17季ぶりの頂点
2023年のU18W杯では主将としてチームを世界一に導いた実績を持つ。当時のチームメイトであるロッテ・寺地隆成選手らのプロでの活躍にも「すごく刺激になっています」と、より高いレベルへの意識を強めている。様々な思いを力に変える20歳が、立教大学を17季ぶりの王座へと導く。
昨秋に1年生ながら3本塁打を放ち、春は1本塁打、そしてこの秋はすでに2本を放っている。リーグ通算15本〜20本を放つことができれば、2027年のドラフト会議では強打の遊撃手として大注目されることになるだろう。世界一の主将という肩書も素晴らしいが、やはり大学での日本一という称号も加えたい。
小林 隼翔 プロフィール
- 氏名:小林 隼翔
- 所属:立教大学 2年
- 出身:広陵高校
- ポジション:内野手
- 主な特徴や実績:2023年U-18日本代表主将として世界一に貢献。広陵高校では甲子園に3度出場。勝負強い打撃が持ち味の遊撃手。





コメント