東都大学秋季リーグでは、国学院大が中央大との投手戦を1-0で制した。最速149キロ左腕の當山渚投手(4年=沖縄尚学)が、リーグ戦初となる完投を2安打9奪三振の完封で飾る圧巻の投球を披露。春の左肘痛や、前日に急逝したOBの悲しみを乗り越え、エースがチームを勝利に導いた。
7回2死まで無安打、圧巻の127球
気迫と冷静さが同居したマウンドだった。當山渚投手は、キレのある直球を軸に中大打線を翻弄。6回まで一人の走者も許さないパーフェクトピッチングを展開した。7回2死から初安打を浴び快挙は逃したが、「打たれた時のことを想定してた」と動じることなく後続を断ち、9つのゼロをスコアボードに刻んだ。
「気持ちは入っていたんですけど、頭の中はすごく冷静だった」と振り返る127球の熱投で、リーグ戦初完投初完封を成し遂げた。
悲しみと苦しみを乗り越えて
この快投の裏には、様々な思いがあった。今春は左肘痛の影響で苦しみ、満足のいく投球ができなかった。鳥山泰孝監督から「健康に投げられる幸せを感じて楽しみなさい」と声をかけられ、「楽しく投げられた」ことが、この日の好投に繋がった。
さらに、試合前日には大学OBで元ロッテの伊藤義弘さんが交通事故で急逝するという悲しい知らせも届いた。在学時に指導を受けた鳥山監督も「彼との思い出がよみがえってきます」と悼む中、チーム一丸で勝利を捧げた。
社会人を経てプロへ、母校の甲子園Vも刺激に
他にもある。今夏、母校・沖縄尚学が夏の甲子園で初優勝。「見ているだけで奮い立たされた」と、後輩たちの活躍も大きな刺激となった。149キロの切れのある速球を投げる左腕だが、大学卒業後は社会人野球へ進み、さらにレベルアップした上でプロの世界を目指す。
個人的に高く評価していたサウスポーで、社会人野球で実績を積んで、2年後はかなり評価されてプロ入りするのではないかと思う。何度も言うように社会人野球からプロ入りを目指せる時間は短い。悔いのないラストシーズンを駆け抜け、この大学4年時にスカウトの評価を高めておく必要がある。
當山 渚 プロフィール
- 氏名:當山 渚(とうやま なぎさ)
- 所属:国学院大学 4年
- 出身:沖縄尚学高校
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:最速149キロの左腕。リーグ戦初完投を2安打9奪三振の完封で飾る。春の左肘痛を克服。卒業後は社会人野球を経てプロを目指す。



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