東京六大学野球秋季リーグは1日、連盟創設100周年イヤーの掉尾を飾る早慶戦1回戦が行われ、早稲田大学が5-3で慶應義塾大学に先勝した。この試合、今秋のドラフト会議で指名を受けたばかりの2投手が「ドラ2リレー」を披露。先発した楽天2位の伊藤樹投手(4年=仙台育英)が8回2失点の好投で現役最多の通算22勝目を挙げると、9回は巨人2位の田和廉投手(4年=早実)が登板。2万2000人の大観衆の前で、ドラフト指名コンビが伝統の一戦を制した。
楽天2位・伊藤樹、恩師・小宮山監督超えの通算22勝目
ドラフト指名後の初登板となった伊藤樹投手は、エースの誇りを胸にマウンドに上がった。「優勝はもうないですけど、慶応には負けられないという気持ちだけでした」と、140キロ中盤の直球とカットボールを軸に8回を投げ、8安打を浴びながらも9奪三振、2失点と要所を締める粘りの投球を披露。この勝利でリーグ通算22勝目(5敗)とし、恩師・小宮山悟監督の現役時代の通算20勝を超える大記録を達成した。
ドラフト前は緊張で眠れない日々も過ごしたというが、「早稲田に育てていただいた。早稲田に来ていなければ、ここまでなっていない」と、114球の熱投で4年間の感謝を体現した。
巨人2位・田和廉、2万2000人の前でプロ予行
3点リードの9回、マウンドを託されたのは、巨人から2位指名を受けた田和廉投手。ドラフト後初登板は、2万2000人の大観衆が集う最後の早慶戦となった。「(大学)最後の早慶戦ということで少し力みが出た」と、2安打と四球で1点を失う苦しい内容だったが、最後は後続を右飛に仕留め“セーブ”を記録。小宮山監督からは「帰って説教です(笑)」と愛情あるカツを入れられたが、独特の雰囲気での登板を「プロに入ってもいい経験になる」と前を向いた。
トミー・ジョン手術を乗り越えた右腕には、巨人・阿部監督からも「特殊球が素晴らしい」とシンカーを絶賛されており、同じ変則右腕の大勢投手からも歓迎のコメントが届いている。「色々なお話を聞いて力に変えていければ」と、プロの舞台での飛躍を誓った。
伊藤 樹 プロフィール
- 氏名:伊藤 樹(いとう いつき)
- 所属:早稲田大学 4年
- 出身:仙台育英高校
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト2位(楽天)。最速152キロ。ゲームメイク能力に長け、リーグ通算22勝を誇る早稲田のエース。
田和 廉 プロフィール
- 氏名:田和 廉(たわ れん)
- 所属:早稲田大学 4年
- 出身:早稲田実業高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:183cm・87kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト2位(巨人)。最速152キロ。独特のスリークオーターから「特殊球」と評されるシンカーを操る。トミー・ジョン手術からの復活組。
















コメント