12月5日から愛媛・松山で行われる「侍ジャパン大学代表候補選手強化合宿」のメンバーに、法政大学の1年生捕手・井上和輝（駿台甲府）捕手が選出された。今秋の東京六大学リーグでリーグトップタイの4本塁打を放った左のスラッガーは、さらなるレベルアップを目指して合宿で大学トップクラスの先輩と交流し、法政大復活のキーマンとして来季のリーグ優勝を誓った。
逆方向へ4発の衝撃、1年生でリーグ本塁打王タイ
井上和輝選手は駿台甲府時代に183cm94kgの大型捕手で打撃のパワーにプロモ注目をしていた。そして大学1年春からリーグ戦出場を果たすと、今秋のリーグ戦では、スタメンマスクを被りながら打率.364、12打点（リーグ2位）、そして4本塁打（リーグ1位タイ）という堂々たる成績を残した。特筆すべきは、左打者ながら4本塁打すべてを「中堅から左方向」に放り込んでいる点だ。
一方で、三振数はリーグワーストの17個。「三振しすぎました」と反省を口にするが、そのフルスイングの魅力は首脳陣の評価も高い。4番も任された大器は、満足することなく高みを目指している。
西武ドラ1・小島から“金言”、貪欲な向上心
成長への意欲は旺盛だ。11月29日の東京六大学野球連盟結成100周年記念試合では、同じ左打者である明治大・小島大河捕手（西武ドラフト1位）に質問攻め。「落ちる系のボールを決め球にしている投手に対して、どんな待ち方をしているんですか？」と問いかけ、「ストレートと落ちるボールを半々くらいで待つ。ストレートが来たらファウルにするくらいでいい」という金言を授かった。
この活躍で、12月5日から始まる侍ジャパン大学代表候補強化合宿にも1年生で選出された。3年生や2年生の先輩にもプロ注目選手が目白押しで、このようなメンバーと交流する機会は非常に価値がある。井上選手は「メンバーにいろいろ質問して役立てたい」と、全国のプロ注目選手たちから技術を吸収する構えだ。
ヤクルト1位・松下の穴を埋め、悲願のVへ
法政大は2020年春に、コロナ禍での特別開催で5試合のみで行われたリーグ戦で優勝をしているが、通常の勝ち点制のリーグ戦では2018年秋から優勝が遠ざかっている。今年、チームを牽引した松下歩叶選手（ヤクルトドラフト1位）が抜ける来季、その打撃にかかる期待は大きい。
「自分の成長はもちろんですけど、とにかく優勝したいっす」。合宿には野手ではもう1人の1年生が同じ法政大の境亮陽選手で、この二人の成長と共に、東京六大学でのリーグ優勝を果たしたい。
井上和輝 プロフィール
- 氏名： 井上 和輝（いのうえ・かずき）
- 所属： 法政大学（1年）
- 出身： 東京都町田市（駿台甲府高校卒）
- ポジション： 捕手
- 投打： 右投左打
- 身長・体重： 184cm、93kg
- 主な特徴や実績： 逆方向にもスタンドインできるパンチ力が魅力の大型捕手。1年秋にリーグ最多タイの4本塁打を記録。高校通算約30本塁打。兄は桐蔭横浜大の投手・井上雄輝。
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