南東北大学野球連盟に所属する石巻専修大学の主力2選手の進路が明らかになった。エースとしてチームを支えた最速145キロ右腕・岡本寛太投手(4年・新井)は、NPB入りを目指して四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスへ入団。主軸を担った吉岡尚樹内野手(4年・東北生文大高)は、地元・石巻の社会人野球強豪・日本製紙石巻に進む。苦難を乗り越え成長した二人が、それぞれの夢を追いかけて旅立つ。
エース岡本、右肘の大怪我乗り越え「NPB」へ再挑戦
岡本寛太投手は、新潟県の新井高校という、野球では有名ではなない高校で1年春から投げ、最速142キロの速球を見せてドラフト候補として注目された。大学は強豪の石巻専修大に進学するも、大学生活は怪我との戦いとなった。
3年春の開幕直前、右肘の内側側副靱帯を損傷。1年間の長期離脱を余儀なくされた。「ふがいなさでいっぱいでした」。マイナスな感情に押しつぶされそうになりながらも、「いつかは野球が終わるとしても、こういう形では絶対に終わりたくないですし、自分に対して期待することを止めたくありませんでした。支えてくださる人を裏切ることもしたくなかったので。そういう気持ちが原動力になりました」と懸命にリハビリに励んだ。
4年春に復帰すると、ラストイヤーは12戦負けなしと見事に完全復活を遂げた。社会人チームからのオファーもあったが、選んだのは独立リーグ。「年数を決めて勝負」。高校時代の指名漏れから抱き続けてきたプロへの夢を叶えるため、退路を断って四国の地で腕を振る。
主砲吉岡、地元・石巻のヒーローに「最高の親孝行」
「4番・遊撃」としてチームを牽引した吉岡尚樹選手は、幼少期から憧れていた地元の企業チーム・日本製紙石巻への入社を決めた。「まさか自分が」と驚きつつも、「家族もすぐに試合を見に来れるので、少しは親孝行できたのかな」と喜びを噛み締める。
1年の春からスタメンに定着をしていたが、3年春に極度の不振となり、「本当に辞めようか悩んだ時期でした。モチベーションもなくて、練習にも身が入らなくて」と話す。しかし、兄や恩師の支えで奮起。ウエートトレーニングで肉体改造を行い、4年春には本塁打王を獲得するまでに成長した。「苦しい時期を乗り越える力が一番身につきました」。一回り大きくなったスラッガーが、愛する地元を照らす存在となる。
岡本寛太 プロフィール
- 氏名: 岡本 寛太(おかもと・かんた)
- 所属: 石巻専修大学(4年)
- 進路: 高知ファイティングドッグス(四国IL)
- 出身: 新潟県上越市(新井高校卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 175cm、80kg
- 主な特徴や実績: 最速145キロの直球と粘り強い投球が持ち味。右肘手術を乗り越え、4年時は12戦無敗。目標はNPB入り。
吉岡尚樹 プロフィール
- 氏名: 吉岡 尚樹(よしおか・なおき)
- 所属: 石巻専修大学(4年)
- 進路: 日本製紙石巻(社会人野球)
- 出身: 宮城県石巻市(東北生活文化大高卒)
- ポジション: 内野手(遊撃・一塁・三塁)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 178cm、90kg
- 主な特徴や実績: 広角に長打を放つ右の強打者。4年春にリーグ本塁打王を獲得。憧れは楽天・浅村栄斗。







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