早大の早川隆久投手に圧巻の投球を見せられたものの、法政大の鈴木昭汰投手も、8回まで無失点に抑えるピッチングを見せ、高校時代から比較された左腕対決に意地を見せた。
立ち上がりは対照的
木更津総合のエースだった早川隆久投手、常総学院のエースだった鈴木昭汰投手は、高校時代から関東屈指の左腕として、上背も大きくないタイプでもある事からいろいろな場面で比較をされてきた。その二人が大学4年となり、共にチームを引っ張るエースとして、東京六大学の舞台でおそらく投げ合う、おそらく最後の機会だった。
立ち上がり、早川投手が三者三振でスタートしたのに対し、鈴木投手は初回からランナーを出しながらも緩急をつけたピッチングで抑えていく。その後は、序盤に蒔いた種で早稲田大打線が鈴木投手の術中にはまっていく。最速は151キロだったが、140キロ中盤の速球と多彩な変化球で、徐々に点が奪えない雰囲気が漂っていった。
8回まで0-0のピッチングが続いた。9回表に味方のエラーなどでチャンスが広がり、2アウト2,3塁の場面で足がつって、一度ベンチへ戻った。万全ではなくその後、内野安打を許してそれが決勝点となり、降板した。
「こういうゲームになることは分かっていたが、打ち取りきれなかった。足がつってしまった。粘られて打たれたのが悔しい。絶対投げきるつもりだったのに。でも結果がすべて」と話した。しかし早川投手との投げ合いには満足した表情も見せ、「早川は自分にないものを持っている」と話した。
視察した球団の評価上々
この日は10球団の幹部クラスが視察をしたが、
千葉ロッテ・永野スカウト部長「鈴木は早川にないものを持っている。確実に指名候補になってくる」
広島・苑田スカウト統括部長「右打者にも左打者にも内角を突ける。左投手が欲しい球団は1位指名もあると思う」
横浜DeNA・吉田スカウト顧問「いい球を投げている」
と話し、上位指名候補として評価されている。
早川投手を1位指名し、抽選で外した球団の内、2位まで残っていないと判断した球団が、すぐに鈴木投手を指名する可能性もある。それだけ完成度の高い、実践的な左腕投手で、まだ伸びしろもある。

視察したロッテの永野吉成スカウト部長は「鈴木は早川にないものを持っている。確実に指名候補になってくる」と評価した。
左ふくらはぎがつり、九回途中に治療を受けながらも続投。2死までこぎ着けたが、二塁適時内野安打を許して降板した。「自分の負け」と言い訳せず。138球の力投にDeNA・吉田スカウト顧問は「いい球を投げている」と評価した。
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