春季近畿大会の1回戦では、センバツ優勝の大阪桐蔭が和歌山商と対戦し、松尾汐恩選手の特大の場外弾などで9点を奪ってコールド勝ち、公式戦連勝を28に伸ばした。
力を入れなくても飛んでいく
この試合の初回、1アウト1塁の大阪桐蔭の攻撃の場面で、プロ注目の捕手・松尾汐恩選手が打席に入ると、和歌山商の変速投手の110キロの球を振り抜いた。力を入れて振り抜いた感じではなかったが、打球は紀三井寺のレフトの防球ネットを越え、その先の民家の玄関のフェンスを直撃した。
かつて、中田翔選手が2006年に推定160mのホームランを放ち、それをきっかけにレフト側に設けられた防球ネットを越し、近隣に住む人も「30年近く住んでいて、ここまで飛ばすのは高校野球では記憶にない」と話す。松尾選手のパワーがあらためて証明された形となった。
これで高校通算26号ホームラン、この日は3安打を記録し、4回にはヒットで出塁すると、次の打者のレフトフライで果敢に二塁へタッチアップをした。守備でも7回にキャッチャーからショートに入り、あらゆる能力を見せた。
この日はオリックス、横浜DeNA、福岡ソフトバンク、阪神など7球団のスカウトが視察し、評価している。
オリックス・谷口スカウト:「甘い球をしっかり1球で仕留められている。力を入れなくても飛んでいく印象」
横浜DeNA・安部スカウト:「スイングにキレがあり、インパクトの強さがある」
福岡ソフトバンク・稲嶺スカウト:「打撃はもちろん、肩も魅力。フットワークも軽く、新しいタイプの捕手」
打撃、足に、捕手や遊撃手として守りのできる松尾選手、さまざまな付加価値があり、高く評価される要素を持っている。ドラフト会議では上位指名の可能性も十分考えられる。

紀三井寺の左翼場外弾は強打捕手の証だ。昨年4月、現ロッテの市和歌山・松川が大アーチ。この日も多くの人が驚いた。オリックス谷口スカウトが「力を入れなくても飛んでいく印象」と舌を巻けば、DeNA安部スカウトも「スイングにキレがあり、インパクトの強さがある」と評する。近隣に住む女性も「30年近く住んでいて、ここまで飛ばすのは高校野球では記憶にない」と目を丸くした。


相手先発の木村健太郎(1年)は右下手投げの軟投派。惑わされず、カウント2-0から107キロの遅球を完璧に捉えた。火のついた打線は2回までに大量6得点を奪い、公式戦28連勝。OBでもあるオリックスの谷口悦司スカウトも「甘い球をしっかり1球で仕留められている」とうなった。

ネット裏には阪神を含め、複数球団が視察に訪れていた。ソフトバンク・稲嶺スカウトは「打撃はもちろん、肩も魅力。フットワークも軽く、新しいタイプの捕手」と高評価を示した。


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