大学卒で社会人3年目に指名された25歳の小孫竜二投手、そして社会人4年目で指名された27歳の福永裕基選手が、共にプロとして自主トレで汗を流している。
プロでも中堅クラス
小孫投手
オールドルーキーという言葉があるが、25歳の小孫竜二投手、27歳の福永裕基選手は年齢としては若い。しかしヤクルトの村上選手や千葉ロッテの佐々木朗希投手など、20代前半の選手が活躍するプロ野球においては、遅めのスタートであることは間違いない。
それでも二人にはアマチュア時代から信念のようなものが感じられた。小孫選手は、高校、そして大学でプレーした選手が次々とプロ入りし、残された立場だった。しかし、そこの場所で大きな出会いを経て成長し、ドラフト2位という高い順位でプロ入りした。共にプレーし、先にプロ入りした選手の中には、すでに野球から離れている選手もいる。
この日、東北楽天の小孫投手は新人合同自主トレの2クール目の初日に初のブルペン入りをした。横山ブルペン捕手は「ホップするような感じで、重たい球質だと思います」と話す。楽天で長い間プレーをしている則本投手、松井裕樹投手を目標に、「スピードももちろんですけど、回転数だったり、キレが他の投手と比べて群を抜いている。そこを目指していかないと1軍では活躍できない」と、肩を並べる球を投げなければ1軍でプレーはできないとしている。
キャンプも1軍スタートが確定しており、約1ヶ月後には練習試合などで登板をしていることだろう。そこでどれだけの球が投げられるか、「しっかり状態を上げて、打者に投げられるように準備したいと思っています」と話した。
福永選手
中日のドラフト7位・福永裕基選手も新人合同自主トレでティー打撃などで汗を流した。天理高校から専修大、そして日本新薬で4年間プレーしたが、社会人では毎年のように活躍を見せていた。それでもドラフト会議で指名されない2年間があり、悲壮感のようなものも感じた。
2014年、奈良大会の決勝では、当時、智弁学園にいた岡本和真選手と対戦し、三塁を守っていた福永選手のはるか頭上を飛んでいく特大弾を見ていた。「これが智弁の岡本かと思った。当時はすご過ぎて意識することもできなかった」と話す。しかし、今はプロ野球選手として同じ舞台に立つことができ、「岡本選手の頭を越えていくホームランを打てたら一番うれしいですね」と話した。
福永選手もキャンプは1軍スタートが決まっている。27歳という年齢は、すぐに活躍しなければすぐに30歳を迎える。しかもドラフト2位の村松開人選手、5位の濱将乃介選手、6位の田中幹也選手という、自分よりも若く、指名上位の選手と内野のポジションを争う必要がある。夕食後も連日、屋内練習場でマシンを相手に打ち込みをしている。
共に、アマチュア時代は実力は認めながらもプロ入りできない苦労をしていた。それを力にプロでどこまでやれるか、しっかりと見させてほしい。



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