U18W杯で優勝を収めた侍ジャパン、前田悠伍投手が7回4安打1失点の好投を見せて優勝した。これで3試合で16回2/3を投げて9安打14奪三振1失点、エースの投球だった。
セットポジションで
侍ジャパンの大黒柱だった。大会前から日程的に、ファーストラウンドの3戦目のアメリカ戦、スーパーラウンドの初戦、そして決勝というローテーションが決められており、その期待通りにアメリカ、韓国、そして台湾を抑えて優勝の立役者となった。
前田悠伍投手はカル・リプケンワールドシリーズのU12日本代表でプレーすると、侍ジャパン代表でプレーすることを夢見た。湖北ボーイズではU15代表を入りを目指していた。しかし、中学3年で迎えたU15W杯は新型コロナの影響により中止となってしまった。
前田投手は「日本一になりたいので、僕を大阪桐蔭に入れてください」と湖北ボーイズの加納得太郎会長に頼み込み、大阪桐蔭に進学をする。そして侍ジャパンU18代表入りを目標とした。大阪桐蔭では1年時からキレの良いストレートと変化球を武器に、大阪桐蔭を甲子園出場に導く活躍を見せ、順調にU18代表入りの道を歩んだ。
しかし今年、センバツで優勝を逃すと、春の大会はベンチ入りをせずに迎えた夏の大阪大会でも決勝戦で敗れ、甲子園出場を逃す。周囲には「落選するかも」とU18代表入りに不安も話していたという。そして、代表入りを信じて投球フォームを改良し、球速を捨ててランナーがいなくてもセットポジションで投げるフォームにした。高校1年秋の時のような投球スタイルに似たイメージになった。
この日は7回92球を投げて4安打5奪三振1失点、アメリカ戦では5回2/3で4安打8奪三振、韓国戦では4回1安打1奪三振で、3試合で16回2/3を投げて9安打14奪三振1失点、この投球には馬淵監督は感服しきりで、「前田がよく投げました。さすがですよ。本当に。105球まではいくぞと。本当にフォアボール投げそうなときも打ち取って。たいしたピッチャーです」と話した。まさに侍ジャパンU18代表の大黒柱だった。
完全アウエーの試合は、昨夏の甲子園の下関国際戦や今年のセンバツの報徳学園戦でも経験している。「甲子園でアウェーの雰囲気は経験しましたから。下関国際、報徳学園の時もそうでした。焦りはありませんでした」と話す。応援だけでなく、台湾の強打者がランナーに出ても精悍な顔でキャッチャーミットを見ている表情が印象的だった。
これで前田投手の高校野球はすべて終わった。あとはプロ志望届を提出してドラフト会議での指名を待つことになる。今年は前田投手にとって色々な状態、感情になったと思うが、史上初のU18W杯制覇という勲章が、前田投手の進路を大きく拓くことになりそうだ。ドラフト1位指名が予想される。







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