【侍ジャパンU18代表】侍ジャパンU18代表がW杯初制覇、全国の高校野球選手全員が掴んだ世界一

高校野球ドラフトニュース 2023年ドラフトニュース

台湾で行われていたU18W杯は、侍ジャパンが台湾代表に2-1で勝利し、初制覇を成し遂げた。前田悠伍投手が7回を一人で投げぬき、台湾代表を4安打5奪三振1失点に抑えた。高校野球を代表する選手一人一人が優勝に貢献し、全国の高校野球選手全員が掴んだ世界一となる。

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前田!前田!前田!

この日の台湾戦は最速156キロ右腕の孫易磊投手が先発し、155キロを記録する球を投げたが、制球がやや乱れていた。初回、寺地隆成投手が四球で出塁し緒方漣選手のヒットで1アウト1,3塁のチャンスを作った。

しかし、このチャンスで4番・武田陸玖選手、5番・丸田湊斗選手が得点を奪えず終えると、その裏に前田悠伍投手が先頭打者にヒットを許し、3番打者にタイムリーヒットを打たれて1点を奪われた。

それでも2回以降は、前田投手はチェンジアップを低めに集め、追い込んでからもストレートで見逃し三振を奪うなど、制球力と精神力の高いピッチングで無失点を続けた。すると打線は4回、先頭打者の四球から送りバントで2塁に進め、丸田選手のセーフティーバントが決まって1,3塁とし、6番・高中一樹選手の初球スクイズが決まって同点、さらに相手サードの悪送球で丸田選手もホームに還り、逆転に成功した。

その後は前田投手が要所を抑えると、6回、7回はそれぞれヒットやエラーで先頭打者を許したものの、その後は素晴らしい外野手の守備と前田投手の乱れない精神力の強さで抑え、2-1で勝利した。

スモールベースボールで

スモールベースボールを体現したような決勝戦の勝利で、U18W杯初制覇を果たした。馬淵監督はメンバー発表でも、長打力よりも足やバント、守備力を重視した選手を選び、「全員がバントができる選手を」とも話していた。

実際にこの日もランナーが出た場面は全て送りバントを仕掛け、またランナーが1アウト3塁ではスクイズを仕掛けた。台湾のエラーを誘発して逆転に成功し、エラーも起こりうる高校生のカテゴリーでは、スモールベースボールの方針が大成功した形となった。

優勝後のインタビューで馬淵監督は「いろんな形があると思うが、僕はこれしかできないので」とスモールベースボールを最後まで徹底的にやり通した。

個人的にはU18メンバーでは強い打球を打てる選手を入れたかったと思うし、例えばこの決勝で、4番に佐々木麟太郎選手がいたらどういう戦いになったかとも思う。

これからのU18代表や、高校野球の戦い方はこの形で良いのかという事もある。スーパーラウンドでは右の大砲として選んだ森田大翔選手があまり起用されなかった事も含めて、信念を通してやり遂げた馬渕監督の初のU18W杯制覇を心から祝福したい。

全国の高校野球選手全員の優勝

今大会では、選手の更に良いところも色々と見ることができた。人工芝の球場ということもあり、二遊間の守備の乱れもなく、緒方漣選手、山田脩也選手、小林隼翔選手、高中一樹選手の守備の良さが見れた。

またそれ以上に丸田湊斗選手、知花慎之助選手、そして橋本航河選手の肩など、外野手の守備力の高さに驚かされた。将来が非常に楽しみになってくる。

投手陣では前田投手が素晴らしかった。現在においては高校生投手も球速が評価され、前田投手もそれを目指していた事は間違いなかったと思う。しかし、この日も台湾の投手は150キロ中盤を出す中で、前田投手が投げ勝った事は、前田投手も信念を曲げずにやり遂げた結果だった。

そしてU18W杯は、甲子園で投げた投手が疲労で調子が良くない事も多く、選んだ投手のうち2/3が活躍すればという感じになることが多い。今大会も甲子園決勝まで投げた仙台育英の高橋煌稀投手や、徳島大会から一人で投げぬいた森煌誠投手が本調子ではなかった。しかしその中で、今大会を11回1安打無失点、プエルトリコ戦では5回パーフェクトの投球をした東恩納蒼投手は、前田投手と並ぶ殊勲選手だと思う。

しかし、今大会は誰が良かったというのをつけるのが嫌になるくらい、すべての選手がすべての役割で活躍し、そしてチームに貢献した。全員で勝ち取った史上初のU18W杯は、代表選手全員の、そして全国の高校野球選手全員の誇りとなり、また来年へと繋がっていく。

侍ジャパンU18代表メンバー(2023)
日本高校野球連盟は、8月31日〜9月10日に、台湾で行われるU18W杯の代表メンバーが発表される。

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