昨年の社会人野球日本選手権チャンピオンのトヨタ自動車、JABA岡山大会で8大会ぶり2度目の優勝を飾り、今年も日本選手権出場を決めた。この優勝に大きく貢献し、大会の最優秀選手(MVP)に輝いたのが、チームのエースであり、社会人野球を代表するエースの増居翔太投手(24)だ。
JABA岡山大会MVP獲得!日本選手権出場権獲得に貢献
この日のJABA岡山大会の決勝で、トヨタ自動車はJFE西日本を4-0で下し、見事優勝を飾った。この日は、プロ注目の150キロ左腕・池村健太郎投手が先発し、5回を1安打4奪三振2四球で無失点に抑えると、渕上佳輝投手、嘉陽宗一郎投手の経験豊富な投手がそれぞれ2イニングをノーヒットに抑え、JFE西日本をほぼ完璧に封じた。
これにより、チームは21大会連続24度目となる日本選手権への出場権を獲得、連覇に向けた条件を整えた。今大会の勝利の立役者の一人が、大会MVPに選ばれた増居翔太投手だった。今大会では初戦のツネイシ戦に先発し、調子は良くなかったものの5階6安打3奪三振で2失点と粘りを見せて勝利すると、この日行われた三菱重工Westとの準決勝では、7回5安打3奪三振1四球で1失点と好投し、決勝進出の原動力となった。
増居投手はこの日の投球について、「絶好調というわけではなかったですけど、捕手のリードもあり、何とかカギとなる打者を抑えられてよかったです。ある程度、打者を見ながら投げられているのは今年のいい部分かなと思います」と振り返る。
この大会は登板2試合で12回3失点(防御率2.25)と、本来よりは成績も良くなったが、それでも2勝を上げる安定した投球でチームを優勝に導いた。増居投手は「今年は波があったとしても、試合を崩すことなく投げられていることが収穫だと思う」と話し、自身の成長を実感している。
昨年の日本選手権では2試合連続完封勝利を挙げるなど、チームの優勝に大きく貢献し、最高殊勲選手にも選ばれた。その経験から、「一大会だけ結果を残した選手は、過去にもいたのだと思う。継続してレベルアップしようと思い、冬の間に取り組んできました」と、2年連続でのMVP獲得を目指している。
昨年の最高殊勲選手からエースへ!都市対抗予選を見据える
昨年の日本選手権での活躍を経て、トヨタ自動車のエースへと成長した増居翔太投手。日本選手権出場権獲得という一つの目標を達成し、「静岡と岡山大会が終わり、ひとまず、ほっとした気持ちでいます」と安堵の表情を見せる。
しかし、その視線はすでに次の目標に向けられている。「ここから都市対抗予選に向かって、できることはたくさんあると思う。もう一度、頭を整理してやるべきことを潰していきたいです」と話し、6月から始まる都市対抗野球大会の東海地区2次予選に向けて、既に準備を開始している。
社会人野球の二大大会である日本選手権と都市対抗。増居翔太投手は、その両方での頂点を目指し、社会人野球のエースへと腕を振り続ける。

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