全国高校野球選手権大会は3回戦が行われ、津田学園(三重)が今春センバツ王者の横浜(神奈川)に0-5で敗れ、初のベスト8進出はならなかった。プロ注目のエース左腕・桑山晄太朗投手(3年)が8回を投げ抜き5失点と力投したが、王者の壁は厚かった。試合後、大粒の涙を流したエースは、「高校野球はやりきった」と語り、大学進学を経てプロの世界を目指すことを明言した。
10日ぶりの聖地、王者・横浜に力尽きる
「率直に悔しい。勝って校歌を歌いたかった」。試合後、桑山晄太朗投手の目から涙があふれ出た。広陵(広島)の出場辞退により2回戦が不戦勝となり、初戦から10日ぶりとなった聖地のマウンド。調整の難しさもあったが、「それは言い訳にはならない」と話し、逆に体力を消耗せずに王者・横浜に真っ向から挑んだ。
しかし、3回に味方のエラーから2点を先制されると、6回、8回にも追加点を許し、8回8安打4奪三振5失点、春や三重大会で見せた140キロ後半の球は見られなかった。打線も7回に1死満塁のチャンスを作ったが、あと一本が出ずに敗退。佐川竜朗監督は「力の差というか、王者の強さはみんなで全身で感じた。ただ、気持ちの面で引いているというのは一人もいなかった」と、最後まで戦い抜いた選手たちを称えた。
「やりきった」涙の先に、プロへの道
甲子園では初戦の叡明戦で、延長12回を138球で投げ抜き、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。そしてこの日の試合後、同じ左腕投手の横浜・奥村頼人投手や阿部葉太主将から「ナイスピッチ」と声をかけられたという桑山投手。「津田学園初めての3回戦で、歴史を変えられたのは素直にうれしい。大会前からやりたかった横浜高校さんと最後の試合ができてよかった」と話し、「高校野球はやりきった」と、涙を拭いたあとの表情はすがすがしかった。
今後の進路については、「進学して足りないところを鍛え、将来はプロでやりたい」と話し、春に決めていたように大学に進学して4年後のプロ入りを目指す。ライバルたちからの言葉を胸に、次のステージへと歩みを進める。
桑山晄太朗投手 プロフィール
- 氏名:桑山 晄太朗(くわやま こうたろう)
- 生年月日:2007年6月29日
- 出身地:愛知県稲沢市
- 経歴:大里西クラブ(小1) – 藤華クラブ(大里中) – 津田学園高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:181cm・81kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速149キロの本格派左腕。2025年夏の甲子園3回戦で横浜に敗れるも、8回5失点と力投。独特の調整法を持つ“孤高のエース”。卒業後は大学へ進学し、プロを目指す。




コメント