日大三は14年ぶりVならず、涙の準優勝も聖地に刻んだ三木監督の三高野球

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第107回全国高校野球選手権大会は決勝が行われ、日大三(西東京)が沖縄尚学(沖縄)に1-3で敗れ、14年ぶり3度目の全国制覇はならなかった。強打の三高を掲げ、決勝まで勝ち上がってきたが、沖縄尚学の2年生Wエースの前に打線が沈黙。試合後、選手たちは涙に暮れたが、その健闘に甲子園全体から温かい拍手が送られた。

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主将・本間が意地の3安打も…あと一歩及ばず

「悔しい。三木監督、チームメート、家族。みんなに支えられてここまで来られた」。試合後、主将の本間律輝選手(3年)の涙は止まらなかった。初回1死二塁のチャンスで先制の右中間タイムリー二塁打を放つなど、この日チーム唯一の猛打賞となる3安打を記録。最後まで主将としての意地を見せたが、チームを勝利に導くことはできなかった。

試合後、本間選手は甲子園の全方向に深々と頭を下げた。その姿に、球場全体から大きな拍手が送られた。「最後は戦った相手として認められた感じがして、本当にやってきてよかった」。姉2人が同校の吹奏楽部OGという“三高愛”に溢れる主将は、感謝の言葉とともに聖地を去った。

日大三の野球だった。守備では多少のミスが出ても、強打を全面に押し出して甲子園の決勝まで勝ち進んだ。本間選手、そして2年生で4番の田中諒選手が中心だったが、チーム全体での打球の強さとともに、松岡翼選手がバントで勝利に貢献するなど、強打だけではないプレーで打線を繋いだ。

また、投手でも決勝戦で甲子園未登板の谷津輝投手を先発させて3回3安打1失点と好投、4回からスパッと山口凌我投手にかえると、6回ノーアウトでエースの近藤優樹投手へと繋いだ。準決勝の県岐阜商戦でも甲子園初登板となった根本智希投手を先発させるなど、控え投手が続々と先発し、それぞれが力のある投球を見せた。

三木監督は試合後のチームミーティングで、「この中に、プロ野球選手になれるヤツがいるか?そういう選手がいない中でもこれだけできるんだ。必死ぶっこいて、一生懸命努力して、そういうことがつながってくるんだ。3年生が信じてひとつになって頑張ってくれたな。」と話し、特に注目される選手がいないチームで、決勝まで勝ち上がったチームを讃えた。

2年生4番・田中は涙「来年、優勝旗を取りに来る」

今大会、低反発バット導入後初となる1大会2本塁打を放ち、チームを牽引してきた2年生4番の田中諒選手だが、決勝では沖縄尚学の同じ2年生の末吉良丞投手、新垣有紘投手に4打数無安打と沈黙した。「同じ学年なのか、というくらいの投手。キレも良くて気持ちも強くて、すごいピッチャーでした」と相手投手を称える一方、「自分の弱さが出た」と敗戦の責任を背負い号泣した。

聖地の土は持ち帰らなかった。「来年もここに優勝旗を取りに来る」。その言葉に、悔し涙はもうなかった。「今は高校通算20本ですが、50本、100本と打てるように力つけたい」。この悔しさを胸に、新チームを引っ張っていく。

末吉投手など注目される2年生投手が多い中で、右の大砲として田中選手の存在感は非常に大きくなった。来年は注目のドラフト候補となる。

三木監督「選手たちが思いきりやってくれれば」

就任3年目でチームを14年ぶりの決勝に導いた三木監督は、「新垣投手はコースをついていて、四球がなかった。なかなか打てなかった。投手も奮闘していたのでなんとか打って欲しかった。だけども、よく頑張ってくれました」と選手たちを労った。

試合とのチームミーティングでは「準優勝だったけどな、本当にごくろうさん、おめでとう。絶対、悔しいなぁ。勝たせられなくて本当申し訳ない。やるべきことをやらないで、みんなにはやるべきことをやれって言ってて。本当、最後俺が勝たせられなくて本当申し訳ない。」と話し、最後は「本当にすごい。準優勝だ、準優勝。日本で2番目なんだ。よく頑張った。立ち振る舞いもかっこよかったぞ。みんないい男になった。本当、いい思いをさせてくれてな。俺からはありがとうしか言えない。胸張って帰ろう。笑って帰るぞ。」と監督もナインも涙を流した。

監督就任と同時に入学してきた3年生たち。「三木さんが初めて1年生から見てくれた代。日本一の監督として漢にしたかった」と本間主将が語るように、選手と監督の間には強い絆があった。

14年ぶりの深紅の大優勝旗には届かなかったが、強打の三高の復活を強烈に印象付けた夏だった。

本間律輝選手 プロフィール

  • 氏名:本間 律輝(ほんま りつき)
  • 生年月日:2007年6月12日
  • 出身地:神奈川県相模原市
  • 経歴:東林ファルコンズ(小2) – 海老名シニア(東林中) – 日大三高校(3年)
  • 投打:右投左打
  • 身長・体重:178cm・78kg
  • ポジション:外野手
  • 主な特徴や実績:日大三の主将。2025年夏の甲子園決勝で3安打を放つなど、チームを牽引。姉2人も同校吹奏楽部OG。

田中諒選手 プロフィール

  • 氏名:田中 諒(たなか りょう)
  • 生年月日:2008年11月6日
  • 出身地:東京都
  • 経歴:深川ジャイアンツ(小1) – 東京玉川シニア(晴海中) – 日大三高校(2年)
  • 投打:右投右打
  • 身長・体重:180cm・92kg
  • ポジション:内野手
  • 主な特徴や実績:日大三の2年生4番。2025年夏の甲子園で、低反発バット導入後初となる1大会2本塁打を記録。高校通算20本塁打。柔道初段。小6時にジャイアンツジュニアに選出。
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この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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