第32回 WBSC U-18ベースボールワールドカップの決勝が14日に行われ、侍ジャパンU18代表は米国に0-2で敗れ、惜しくも準優勝となった。今秋ドラフト1位候補の石垣元気投手(3年=健大高崎)は4回途中からロングリリーフで登板。敗れはしたものの、トラックマン計測で自己最速に迫る157.9キロをマークし、米国の選手を驚愕させるなど、そのポテンシャルの高さを世界に示した。
甲子園V投手リレーも米国の壁に阻まれる
大会連覇まで、あと一歩届かなかった。先発した2年生左腕・末吉良丞投手(沖縄尚学)が4回に先制を許し、なおも1死一、二塁の場面で石垣元気投手がマウンドへ。後続を断ち切る見事な火消しを見せたが、まだあまり制球が安定していなかった5回に、3つの四死球から犠牲フライで痛い追加点を献上した。
石垣投手は3回2/3を投げ無安打に抑えたものの、4四死球で1失点。最終イニングの7回に制球が落ち着いたものの、「世界相手だとまだ通用しない」と反省を口にした。打線も米国の198cm右腕、コールマン・ボスウィック投手の前に3安打に封じられ完封負け。今大会初黒星で、世界の頂点には届かなかった。
あえて厳しい事を話すと、石垣投手がもっと良い投球ができていれば、チームは逆転し優勝いたのではないかと思う。球速は出ていたが、チームにリズムをもたらす投球はできなかった。そのくらい今大会は、登板数は少なかったものの、決勝で接戦となった最後の最後の画面で、石垣投手にかけるという思いは小倉監督にもあったと思う。
自己最速に迫る157.9キロ!米国の主軸も脱帽
それでもドラフト1位候補の実力は際立っていた。場内の球速表示で最速156キロを記録すると、トラックマン社の計測では自己最速158キロにわずか0.1キロと迫る157.9キロをマーク。「魅力は出せたと思います」と語るように、その剛腕でスタンドを沸かせた。
この日の米国の「3番・投手兼DH」として出場し、投げては完封、打者としても石垣投手と対戦した二刀流のボスウィック選手も、「凄く良いストレート。回転数も凄い」とそのボールに驚きを隠さなかった。
完全燃焼の先に、メジャーの夢
健大高崎は国スポには出場せず、これが高校野球生活最後の公式戦となった。「甲子園は不完全燃焼だったけど、この大会が終わって完全燃焼。いったん気持ちを落ち着かせたい」と、全てを出し切った表情を見せた。
そして、次にその姿を大勢の前に見せるのは、10月23日のドラフト会議の場面となる。今大会で世界のレベルを肌で感じ、「しっかり日本で鍛えて将来的にはメジャーに行きたいと思います」と、ドラフト1位指名の先の大きな夢を口にした。
次はWBCで、メジャーリーグで、ボスウィック投手との投げ合いを見せたい。近日中にはプロ志望届を提出すると見られる。ドラフト会議では1位指名で競合することが予想される。
石垣 元気 プロフィール
- 氏名:石垣 元気(いしがき げんき)
- 所属:健康福祉大学高崎高校 3年
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。最速158キロ。U-18 W杯決勝の米国戦で自己最速に迫る157.9キロ(トラックマン計測)を記録。侍ジャパンの守護神として準優勝に貢献した。


























コメント