秋季高校野球大阪大会は準々決勝が行われ、大阪桐蔭が関西創価を7回コールドで下し、ベスト4進出を決めた。最速152キロの速球を投げ、新チームでエースナンバーを背負う来秋ドラフト候補の吉岡貫介投手(2年)が、7回を1安打12奪三振無失点と圧巻の投球を披露。名門復活へ、投打の柱としてチームを牽引している。
圧巻の7回1安打12K、新エースの貫禄
名門のエースナンバー「1」の重みを、力に変えた。今大会から初めて背番号1を託された吉岡貫介投手は、その期待に応える圧巻の投球を見せつけた。この日の最速は147キロを計測し、7イニングで12個の三振を奪う快投。許した安打は3回の二塁打わずか1本のみだったが、「無安打で、いきたかったです」と、試合後は満足することなく高いレベルを求めた。
今夏の公式戦デビューでいきなり152キロを叩き出した逸材は、新チームになってからの秋の大会で3試合に登板し、いまだ17イニング無失点と抜群の安定感を誇り、この日も複数のプロ野球のスカウトが視察し、織田翔希投手、菰田陽生選手、末吉良丞投手など、来年、大注目の高校生投手たちの中の一人となっている。
3年生から受け継いだエースの自覚
精神的な変化があった。中野大虎、森陽樹という偉大な3年生投手が抜け、新チームでは自身が投手陣を引っ張る立場となった。背番号1にも「違う重みや責任がある」と、エースとしての自覚が芽生えた。西谷浩一監督も「これまでは中野や森がいるという気持ちがどこかにあったと思うが、先頭切ってやるという自覚を日頃から感じる」と、その成長に目を細めた。
今大会の初戦となる2回戦・堺西戦と4回戦の大商大戦に登板したが、調子が良くなかったと話す。それでも、「調子が悪い中で出た課題を練習で修正してきた。抑えにいこうとして突っ込んだりして。ストライク先行するまでは抑えていこうと」と話し、大会中に修正をして徐々に調子を挙げている。
3季ぶり聖地へ「気持ちは負けていない」
前チームは6年ぶりに春夏連続で甲子園出場を逃すという屈辱を味わった。「僕たちも全員行けると思っていたが、緩みもあったと思う。行けなかったので、必ず行くという気持ちが全員強い」と吉岡投手は語る。技術では先輩たちに及ばなくても、「気持ちは前チームに負けていない。気持ちを出して泥臭くやっていこうと思います」と、雑草魂で3季ぶりの聖地奪還を誓った。近畿大会出場に王手をかけた準決勝では、金光大阪と対戦する。
173cmと体は大きくないものの、伸びやかなフォームで投げる右腕、背番号1に負けずに萎縮せず、これからも伸びやかに投げてほしいと思う。
吉岡 貫介 プロフィール
- 氏名:吉岡 貫介(よしおか かんすけ)
- 所属:大阪桐蔭高校 2年
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2026年ドラフト候補。最速152キロ。大阪桐蔭の新エースとして秋季大会準々決勝で7回1安打12奪三振無失点の快投。今大会17イニング無失点を継続中。




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