阪神は1日、2021年ドラフト1位の森木大智投手(22)ら7選手に来季の契約を結ばないことを通告したと発表した。未来のエース候補として期待された剛腕は、1軍未勝利のままわずか4年で阪神のユニフォームを脱ぐことになった。それでもまだ22歳と若く、本人は「僕の中で消化しきれてない目標がある」と現役続行の意思を表明した。
未来のエース候補、わずか4年で
森木大智投手は中学時代に軟式で150キロを計測して注目されると、高知高でも150キロの速球と共に、変化球でもコントロール良く投げており、将来のエース候補として2021年ドラフト会議では明桜の風間球打投手、市和歌山の小園健太投手と共にドラフト1位指名を受け、阪神に入団した。ルーキーイヤーの22年には1軍で2試合に登板し、150キロ前後の球を見せていた。
しかし同年秋に首を負傷すると、それ以降も肩を痛め、フォームを変えながら試行錯誤を繰り返して来たものの、本来のコントロールの良さがなくなってしまう。3年目のオフには育成契約となり、再起をかけた今季もウエスタン・リーグで防御率13点台と苦しんでいた。
この日、ドラフト1位の高校生にしては非常に早い、4年目での戦力外が通告された。森木投手は「本当に4年間、結果が出なかった。それが1番かなと思っています。苦しいことが多い4年間でしたが、先輩方やコーチ、色々な方に助けてもらった4年間でした」と話し、静かにこれまでの日々を振り返った。
現役続行へ「消化しきれてない目標」
阪神のユニフォームを着るのは最後となるが、森木投手の心は折れていない。今年、同学年だった選手たちが大学4年生のドラフト候補としてプロ入りをしてくる。「まだまだ若いので続けたいと思っています。僕の中で消化しきれてない目標があるので、それに向けて前を向いて頑張ろうと思います」と力強く現役続行を宣言し、「1軍で先発ローテを守って、という目標が一番僕の中ではあった。投げられるなら中継ぎだろうが先発だろうがやりたい」と、新天地での再起を誓った。トライアウトの受験も前向きに検討している。
佐藤蓮投手らも構想外に
阪神はこの日、森木投手の他に6選手へ戦力外通告を行った。20年ドラフト3位の佐藤蓮投手、21年ドラフト2位の鈴木勇斗投手(育成)も戦力外となり、トレードなどで移籍していた渡邉諒選手、川原陸投手、そして外国人のベタンセス選手もチームから離れることになった。
今年は2021年にドラフト会議で指名された選手が、他球団でも戦力外となっており、「4年」というのがプロ球団側の目安になっているのではないかと思う。まずは4年の間に1軍で活躍できる選手になること、それが目標となるが、これまでも、5,6年かけて出てきた選手もいる。そういう選手にチャンスを与える球団が出てきて欲しいと思う。
森木 大智 プロフィール
- 氏名:森木 大智(もりき だいち)
- 所属:阪神タイガース
- 出身:高知高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:184cm・93kg
- 主な特徴や実績:2021年ドラフト1位。中学時代に軟式で150キロを記録。最速155キロの直球を武器に将来を期待されたが、1軍では通算2試合の登板に終わった。現役続行を希望。



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