今年の外れ1位の大物は?

選手コラム 2019年ドラフトニュース

今年のセリーグは、東京ヤクルトの2017年のドラフト1位・村上宗隆選手が36本塁打、96打点を挙げ、阪神の2018年のドラフト1位・近本光司選手が159安打で打率.271、36盗塁を記録し、非常にハイレベルな新人王レースとなった。この二人は、共に外れ1位だった。

外れ1位の大物

村上選手は19歳で、中西太氏の持つ高卒2年目までの打点記録を塗り替える歴史的な活躍だった。また近本選手も長嶋茂雄氏の持つセリーグの新人最多安打記録を塗り替える、こちらも歴史的な活躍だった。村上選手は2017年のドラフト会議で、注目された清宮幸太郎選手の抽選を外した東京ヤクルトが、巨人と共に外れ1位で指名し獲得をした選手、近本選手は俊足・強打の外野手として3球団が1位指名をした藤原恭大選手と、同じく強肩俊足の外野手として外れ1位で4球団が指名をした辰己涼介選手を逃した阪神が、外野手にこだわって1位で指名をした選手だった。

昨年のドラフト会議では、藤原選手に3球団、小園海斗選手に4球団、根尾昂選手に4球団と11球団が抽選に参加した。単独1位指名だった西武と、抽選でこれらの選手を獲得した千葉ロッテ、広島、中日以外の球団は、外れでの1位選手となっている。その中で、近本選手はチームをCSに導く活躍を見せた他、横浜DeNAの上茶谷大河投手は7勝6敗、巨人の高橋優貴投手は5勝7敗、福岡ソフトバンクの甲斐野央投手は8Sに28HPを上げて、各チームのリーグ戦で大きな貢献を見せた。

もちろん、小園選手は1軍で1年目から4本塁打を放っており、藤原選手も開幕1軍スタメン出場となった。根尾選手はプロの壁に当たったもののシーズン最終版に1軍に出場し、辰己選手も72安打に4本塁打と期待のできる結果を残している。今季は12球団のドラフト1位ルーキー全員が1年目で1軍を経験した。注目の日本ハム・吉田輝星選手も1軍で1勝を手にした。ただし、東京ヤクルトの清水昇だけは即戦力の呼び声も高かった中で0勝3敗と1軍の壁にぶつかっている。

しかしこれは当たり前の事だといえる。抽選で外しての1位指名だとしても、各球団の1位指名はおそらく他球団も上位に挙げていた選手たちの中の12人で、指名競合となった選手と大きな力の差があるかというとそんなことはない。清水投手も150キロの球を投げており、来年以降にはローテーションに入ってくる力がある。

今年の外れ1位候補の大物

それでもやはり、1位で抽選を外した選手よりも良い成績を残してほしいというのは、ドラフト会議ファンの心理だろう。そして今年のドラフト会議は、トップクラスと評価される佐々木朗希投手、奥川恭伸投手、森下暢仁投手の3人がスバ抜けており、その他のドラフト上位候補とは差があるという評価となっており、北海道日本ハム以外の各球団が、ここまで1位指名を決定しきれていない要因になっている。個人的にも佐々木・奥川投手は10年に1人の選手(SSS)、森下投手は例年の1位競合クラスの選手(SS)級と評価する。

3人以外で例年でもドラフト1位指名となりそうな選手は、創志学園の西純矢投手、東海大の海野隆司選手の二人と見られ、この二人は単独1位指名を狙う球団が出てくるか、外れ1位での指名競合となるだろう。

この他では、東邦の石川昂弥選手、東洋大・佐藤都志也選手、JFE西日本・河野竜生投手、東海理化・立野和明投手、桐蔭学園・森敬斗選手、横浜高・及川雅貴投手、興南・宮城大弥投手か日体大・吉田大喜投手が12人に入ってくると予想する。その中で、ルーキーイヤーでの活躍という事で見ると、河野投手を挙げる事になる。

河野投手は172cmの左腕投手で最速151キロを記録する左腕投手。まだ高校卒3年目の若い投手でもある。この情報だけを聞くと、速球派で荒削りで伸びしろ十分な左腕と思いたくなるが、投球を見るとキャッチャーをしっかりと見て制球力が高く、インコースに140キロ前半の球で攻め、スライダーなど変化球を外角に沈めていくという、非常に実践的で完成度の高いピッチングをする。ルーキーイヤーで活躍したDeNAの東克樹投手のような好投が期待され、特にセリーグ向きの投手と見える。年間を通して活躍することができるか、体力面で課題もあるが、先発で10勝を期待できる投手だろう。

立野投手も社会人ではトップクラスで、150キロの強い球はプロでも通用するし、佐藤都志也選手の肩と足、打撃も安定して成績を残せる選手になっていくと思う。しかし、1年目でブレークしそうな選手という所では、他の選手を進めてみたい。

1人はJR東日本の太田龍投手。こちらも高校卒3年目の投手だが、190cmの大型右腕で153キロの速球を投げる。昨年の都市対抗ではリリーフでものすごい球を投げており、三菱重工広島で153キロのすごい球を投げてソフトバンクの2位指名となった杉山一樹投手に次ぐストレートを投げていた。今年は先発として期待されたもののなかなかうまくいかず、都市対抗では腕の振れない投球もしていたが、高校時代はオリックスでブレークした山本由伸投手以上と評価されていた選手で、潜在能力は十分。プロで自信を付けられれば、主にリリーフとして今年の甲斐野投手くらいの成績を残すかもしれない。

またもう一人は上位候補にすら名前が挙がらないが、日本生命の皆川仁選手を挙げたい。皆川選手は昨年の都市対抗で三菱重工神戸・高砂で18打数6安打、2本の3ベースヒットと1本塁打を放った。決勝では近本選手の大活躍で大阪ガスに敗れたものの、もし優勝をしていれば橋戸賞を受賞し、ドラフトで指名されていたかもしれない。

この皆川選手は今年の都市対抗ではチームで出場し、3回戦で敗れたものの13打数6安打3打点の活躍を見せ、全国の舞台で2年連続で結果を残した。近本選手と比べると足では劣るものの、爆発力を持った外野手ということで挙げたい。

石川選手、森選手も木製バットを手にしたU18代表の試合で素晴らしい打撃を見せ、石川選手は長打力、森選手は足でも高いレベルの物を見せている。守備が行けるのならば1年目から使ってみたい選手だと思った。また、及川投手も左から153キロの速球を投げ、中学生や高校1年時は投球フォームもしっかりと安定していた。体が強くなってからの投球フォームに苦労をしているようだが、クレバーさもあるので、落ち着いた環境で回りのサポートもあれば、1年目の中盤当たりから1軍で投げる力はあると思う。

ドラフト会議では、佐々木投手、奥川投手、森下投手がどこに行くかも注目されるが、その後にどの球団が誰を外れ1位で指名し、その選手が来年にどんな活躍を見せるのか注目をしたい。

2019年ドラフト指名予想
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