【ドラフト総決算2】12球団ドラフト上位指名の戦略

2020年ドラフトニュース

2020年のドラフト会議で、12球団のドラフト上位指名の戦略を考えてみます。

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オリックス

オリックスは1番最初に即戦力野手の佐藤輝明選手の1位指名を公表したが、これによって他球団が影響を受けたという事はなく、4球団が競合した。

そして、その佐藤選手を外し、即戦力野手とは真逆の将来性の投手の山下舜平大投手を指名した。ドラフト前に福良GMは「上位選手を順位付けし、高い方から指名していく」としており、山下投手は早川隆久投手、伊藤大海投手、栗林良吏投手、入江大生投手、高橋宏斗投手の次に順位付けされていたという事になる。

補強ポイントは内野・外野問わず野手という事だったが、2位で元謙太選手を指名、そして3位には同じ高校生外野手の来田涼斗選手を指名と、左右は違えど、2,3位で高校生外野手の指名という思い切ったことをやった。この指名にはかなり決断が必要だったと思われるが、3位までに、中山礼都選手や土田龍空選手、山村崇嘉選手や古川裕大捕手、内山壮真選手といった、指名を予定していた内野手や捕手が相次いで指名されたという事もかもしれない。

東京ヤクルト

早川投手の指名が有力と見られていたが、他の指名可能性も残し直前まで公表せず、結果として直前に公表する形で早川投手を指名した。

抽選で外すと、早川投手の次に高く評価していた左腕の鈴木昭汰投手を指名、左右関係なければ広島やDeNAが単独1位指名した栗林良吏投手や入江大生投手を評価していたかもしれない。しかし、2位で山野太一投手を指名している所を見ると、左の先発投手が欲しかったとみらる。

結果的に慶応大の木澤尚文投手を指名、伊東編成部長が「ウチが早川君と2人獲れないかな」と評価しており、最初に狙っていた1位クラスの投手を獲得できた。ちなみにその次には大道温貴投手を指名する予定だったという。そして2位では指名が早いこともあり、1位で左投手が取れなかった場合の想定通り、山野投手を指名した。

3位では「他の選手を獲得したかったが、内山壮真選手が残っていたので指名した」と話しているが、その結果、その選手を獲得できたのかについては話していない。後回しにしたのが4位指名の元山飛優選手だったのか、それとも、その前にオリックスに指名された来田涼斗選手や中川颯投手だったのかはわからない。

北海道日本ハム

ドラフトの数日前に伊藤大海投手の1位指名を公表、これは、広島やDeNAなど競合を避ける球団が、早川投手を回避して伊藤投手の指名に行くことをしっかりと阻止したとみられ、逆指名の効果があった。

2位では五十幡亮汰選手を指名、西川選手の移籍の可能性があることや、主軸がしっかりしている中で、リードオフマンが必要という判断で、素晴らしい選手の獲得となった。3位でも打撃のある即戦力捕手を指名でき、当初想定した通りの指名になったとみられる。

広島東洋

広島は早川投手などと共に、早い時期から栗林良吏投手をトップランクに入れており、他球団の状況を見て今年も単独1位指名に成功した。また2位では阪神、中日、巨人などが2位で獲得を狙っていた森浦大輔投手を指名できた。

3位でも、他球団が1位クラスと評価していた右腕の大道温貴投手を指名、大道投手は東京ヤクルトや東北楽天など、投手の補強を目指すチームが1位リストに入れていと見られ、ヤクルトが木澤投手、東北楽天が早川投手、高田投手の獲得に成功したことでここまで残り、結果的に1位クラスの選手を3位で獲得することに成功した。

4位の小林樹斗投手も同じく、高い評価ではあるものの上位で右投手が多かった事からここまで残っていたが、、右投手がここまで多くなければ1位指名の可能性もあったかもしれない。全体的に高い評価の投手を4人も獲得することができ、今後数年間は投手の指名を考えなくても良いだろう。

東北楽天

1位は早川投手、栗林良吏投手、入江大生投手などの候補が挙がっていたが、どの選手に行っても競合となったため、早川投手の指名は結果としても大成功だった。石井GMは昨年も遊撃手指名と迷いながら結果として佐々木朗希投手を、一昨年も最多競合の藤原恭大選手を1位指名しており、最後には抽選に打って出る。

2位では速球派ながら課題もある高田孝一投手を指名、この時点で森博人投手、大道温貴投手などもいたが、未完成でも球速のある投手を選択したとみられる。

3位でもさらに左腕の藤井聖投手を指名、こちらも大学、社会人で故障があり大きな実績があるわけではないが、素材を高く評価しての指名となった。4位の内間拓馬投手も含めて、素材型の投手を好む傾向が表れたのは、1位で早川投手を獲得できたという余裕があったからこそかもしれない。

課題としていた投手の補強を行い、後は実際にプロで成績を残せれば、来年は再び野手の特定のポジションの補強に動く可能性がある。

横浜DeNA

今年も情報が漏れない中で、早川投手、佐藤選手、伊藤投手といった他球団が1位指名を公表した選手を外し、情報があったとみられる広島の栗林指名も考慮して、入江大生投手の単独1位指名となった。

入江投手も1位クラスとして申し分ないが、今年のドラフトでは早川投手、佐藤選手、高橋宏斗投手、栗林良吏投手が、エースや主軸となり得る選手と見られており、このような選手に行かない指名を続ける事で、大幅に戦力が崩れる事は少ないかもしれないが、現在のAクラスに入るための戦いという事が続く事になり、結果的にエース級を獲得したチームが上に行くという事になりそうだ。

ただし、2位で牧秀悟選手を取れた事が幸運で、結果的に1位クラスの投手と野手を獲得することに成功した。もし牧選手を1位指名していたら、入江投手は獲得できなかったと考えられる。大学生右腕投手が豊作だったこともあり、各球団がある程度、右投手の1位指名を考えていた事や、2位で先に指名するヤクルトや広島、楽天が投手の補強を目指していた事を考慮していたならすごいが、たぶんラッキーだっただけだろう。

結果的に内野手の獲得に成功し、3位では中山選手、土田選手、山村選手といった高校生内野手が先に指名されても焦ることなく、地元の左腕投手・松本隆之介投手を指名した。指名最後となる6位で高田琢登投手を指名しており、3位では松本投手か高田投手のどちらかを指名するとしていたとみられる。

結果的に高田投手が下位まで残り、松本投手には東北楽天が3位で指名した可能性が高かったことを考えると、有望な左腕二人を獲得できたことは成功と言えるだろう。

ただ、全体を見ると左腕投手が3人と多く、松本、高田をしっかり育てるための登板数を確保できるのかなど不安は残る。

埼玉西武

佐藤輝明選手を、「これだけの野手はなかなか出て来ないので、こういう選手がいるときは指名に行くべきかもしれない」と渡辺GMが話していたが、左腕投手の補強ポイントを優先し、早川投手を1位指名した。これは、渡部健人選手をかなり高く評価していたものとみられる。

結果として抽選で外し、1位で即戦力内野手の渡部健人選手を、2位で左腕の佐々木健投手の指名となった。渡部選手を2位指名し、1位では鈴木昭汰投手を指名することもできたかもしれないが、佐々木健投手もかなり高く評価しており、外したときには渡部選手から佐々木投手という指名を決めていたのだと思われる。

佐々木投手も3位では獲得は難しかったとみられ、早川・渡部が、渡部・佐々木となり、高く評価した選手の獲得に成功した。3位、4位、6位でも野手の指名を固め、全体的に野手の強化と左腕投手の獲得に成功した。

阪神

阪神は佐藤輝明選手が有力と見られていたものの、当日まで矢野監督は公表をせず、複数人の中から選ぶと話していた。しかし、昨年も指名選手を公表しなかったものの奥川恭伸投手の1位指名は予想されており、佐藤選手の1位指名はかなり高い確率で予想されていた。矢野監督は思わせぶりをしたがお見通しだった。

2位では強い補強ポイントだった左の先発投手の獲得を狙い、伊藤将司投手の指名となった。しかし2位では、ヤクルトが山野太一投手、広島が森浦大輔投手、西武が佐々木健投手と左腕投手の指名が相次ぎ、結果的に残っいていた伊藤投手の指名という事になったものとみられる。

矢野監督にはその辺でもやもやが残り、そして3位でも巨人が中山礼都選手、中日が土田龍空選手の高校生内野手を指名し、『阪神・矢野監督、佐藤輝明選手を引き当てるも、「高校生も魅力のある選手がいたんだけど先に・・・」』の記事でも書いたような、「高校生も魅力のある選手がいたんだけど、これも縁で。先に取られたり順位とかもあって」という発言に繋がった。

佐藤選手が獲得できて大成功だったが、2位で森浦大輔投手、3位で中山礼都選手が獲得できれば、矢野監督は満面の笑みだっただろう。

千葉ロッテ

早川隆久投手を早い段階で1位指名し、地元選手として囲い込みを図ったが、結果的に4球団の指名となり、公表の効果は薄かったとみられる。

抽選で外し、外れ1位でも早川投手に次ぐ左腕投手の鈴木昭汰投手を指名、獲得に成功すると2位では余裕を持って、高校生トップクラスの中森投手を指名した。

またチーム内で新型コロナウイルス感染が広まった時に、選手層の薄さが目立った遊撃手に小川龍成選手を指名、その前に巨人が中山礼都選手、中日が土田龍空選手といった高校生遊撃手を指名しされており、もしかすると高校生の方を狙っていたのかもしれないが、遊撃手の確保には成功した。

中日

地元、高橋宏斗投手の1位指名に成功。高橋投手は今年のドラフトでも、早川投手、佐藤選手と共にBIG3と言っても良い選手で大成功だった。これは、20年に1人という左のスラッガーの佐藤選手、また貴重な左でこの秋に圧倒的な力をみせた早川投手がいたからこそできた単独指名で、もし、早川投手のこの秋の結果がなければ、高橋投手に指名が集中した可能性がある。また、右腕投手が大学生にも豊富だったことも理由の一つとなる。

2位指名でも、1位クラスと評価されていた即戦力右腕の森博人投手を獲得、指名順位が最後の方だったが、これだけの選手が残っていたのは、2位では左投手の獲得を優先したチームが多かったことが挙げられる。

3位では指名を狙っていたとみられる中山礼都選手が先に巨人に指名されたが、変わりとしては十分の土田龍空選手を獲得でき、京田選手を脅かす存在の獲得に成功した。

福岡ソフトバンク

佐藤輝明選手の指名を外すと、同じ強打の井上朋也選手を指名し、今年は特に強打のサードを欲しかったものと見られる。ただし、2018年には3位で野村大樹選手を、2017年には3位で増田珠選手を指名、内野手として育てている。やや被る所があるが、野村選手、増田選手とはちがった、特に長打力に特化したプレーヤーになることを期待をしている取られる。

2位では笹川吉康選手、3位では牧原巧汰選手、4位でも川原田純平選手と、井上選手も含めて高校生野手を各ポジションで指名した。これは、これまで獲得していながらも伸び悩む野手に、「入れ替えるぞ」という大きな警告を与える事になる。

2位で笹川選手の指名は相当サプライズだが、ソフトバンクは、他球団や他の評価を一切捨てて、球団独自に選手を横一線に並べて評価し、高く評価した選手を指名していくところがある。実績なども全く見ずに、選手の素質に直接、そのまま向き合う、これもソフトバンクの強さの一つかもしれない。

読売

かなり早い段階で、強打の外野手を1位指名すると公表し、佐藤輝明選手で間違いないとみられる中で公表は直前に行った。抽選を外した場合は即戦力投手を指名するという方針の通り、栗林良吏投手、入江大生投手が指名され、木澤尚文投手も残っている中で平内龍太投手を選択した。

いつもならばここでも競合し、原監督が抽選を外すという場面が思い浮かぶが、平内投手の1位指名が予想された東京ヤクルトや千葉ロッテが左の鈴木昭汰投手を優先したことでここで指名が確定し、原監督にとってはラッキーだった。

一番最後の2位指名では、欲しかった強打の外野手はもちろん、即戦力投手も残っていないと想定し、ここでケガが無ければ大学NO.1投手だった山崎伊織投手を2位で指名した。原監督と東海大の関係もあり、突然のプロ志望届の提出などに何か裏があるかもしれないが定かではない。

3位では中山礼都選手を指名、中日や阪神などが先に指名されて悔しい思いをする指名となった。

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