横浜DeNAのドラフトの狙い(2019)

2019年ドラフトニュース 横浜DeNAドラフトニュース

2019年度の12球団のドラフトの狙い。横浜DeNA編。

チーム状況

〇タイプ:上位即戦力型
〇監督:外野手出身、バランス・総合力重視
〇決定者:三原一晃GM、吉田孝司代表補佐兼スカウト部長
〇補強ポイント:内野手、主軸打者、先発投手、捕手
〇近況:横浜高校、東海大、明治大、立教大などにスカウトが姿を見せる

横浜DeNAは、2012年以降に井納翔一、宮崎敏郎、三上朋也、砂田毅樹、山崎康晃、石田健大、倉本寿彦、今永昇太、戸柱恭孝、東克樹、神里和毅と、ドラフトで指名した選手が1年に2人は1軍で活躍する。そして、2015年のドラフト1位・今永投手が1年目で8勝、2016年のドラフト1位・濱口遥大投手が1年目で10勝、そして2017年ドラフト1位の東克樹が1年目で11勝を挙げて新人王を獲得と、1位指名投手の成功は目覚ましいものがある。また京山将弥投手、細川成也選手といった高校卒の選手も1,2年で頭角を現しており、今年も阪口皓亮投手、櫻井周斗投手の台頭が期待されるなど、かなりの確率で1軍で戦う戦力になっている。

昨年のドラフト会議でもドラフト1位で即戦力右腕・上茶谷大河投手を獲得し、新人王候補の一人となる。また、スラッガーの伊藤裕季也選手を獲得し、右の先発、二塁手&主軸を打てる選手と、一応の補強ポイントの選手を獲得することができた。ただし、近年はリーグ優勝に近い所におり、それを狙うため即戦力選手を中心に指名をしている。そのため、ファームでは若い内野手が少なく、次世代のと形容される内野手は松尾大河選手くらいしかいない。

ラミレス監督はチーム全体の戦力を見て、また「MINATOシステム」による選手のデータを重視し、柔軟に、これまでの形に縛られることなく選手を起用する。はっきりとした方針は分かりにくいものの、やはり野手中心のチーム作りという形が見られる。ただし、昨年まではレギュラー選手を我慢強く使い続けることで、終盤に選手が役割を理解してチームの勝利につながったが、今年は桑原選手、倉本選手などを序盤から外したり、加入した神里選手や大和選手、ベテランの石川選手など様々な選手を組み合わせて起用しようとした。また2番にスラッガーを入れたり、9番に野手を入れる戦法などいろいろ試したものの、シーズン終盤まで選手が全体的に調子を掴むことができず、中途半端のまま終わった。

先発投手は、好投をしても5,6回で降板した。トラックマンの計測等により、回転数が落ち始めると交代をさせていたとみられるが、満足感を得られずに、勢いにのる投手は少なかった。また、シーズン序盤からリリーフに負担がかかっていた。

ソト選手、東投手といった新人が活躍し、本来ならばもっと勝ち星を重ねてもおかしくない戦力はあったとみられる。阪神のメッセンジャー投手などを終盤まで攻略できず、特定の球団に大きく負け越し、CS出場を逃した。

フロントは高田GMを中心にスカウトがしっかりと選手を評価できる体制ができた。それによって1軍で活躍をする選手の数が増えた。その高田GMから、野球未経験の三原GMに交代する。高田氏に付き添いGMの仕事を学んでいたといい、また吉田スカウト部長が補佐としていることから大きな変化はなさそうだが、今シーズンに向けてはFA戦線で西投手の獲得に失敗すると、その他の投手の補強もなく、やや消極さも感じさせられる。

ポジション

捕手:嶺井、伊藤、戸柱
一塁手:ロペス(固定)、ソト、佐野
二塁手:倉本、ソト、山下、柴田、石川
三塁手:宮崎(固定)、飛雄馬
遊撃手:大和(ほぼ固定)、柴田、倉本
外野手:筒香(固定)、桑原、神里、ソト、乙坂、関根、梶谷、細川、佐野

先発投手:東(ここまで固定)、今永、石田、ウィーランド、バリオス、濱口、平良、京山、井納、飯塚
リリーフ投手:山崎、三上、パットン、砂田、エスコバー、三嶋(ここまで主)、平田、武藤、國吉、藤岡、田中、中後、須田

主軸の筒香選手、ロペス選手、宮崎選手のクリーンナップは12球団屈指だが、ロペス選手の故障により良い打線の状態はあまり続かなかった。ロペス選手の存在感が大きく、もう一人スラッガーの必要性が感じられた。また、筒香選手がメジャー移籍の想いを語り、2年後のメジャーリーグへの移籍が既定路線となった。左の大砲の獲得は必要となってくる。ファームで期待の細川選手がやや伸び悩んだことも気になる。

一昨年の福岡ソフトバンクとの日本シリーズでは、内野の守備力、外野手の選手層に大きな差が見られた。そのため、一昨年にFAで大和選手、ドラフトで神里選手を加えた。しかし、うまく使いきることができず、逆に一昨年の倉本選手の打撃が失われ、桑原選手も調子を上げるのに時間がかかった。宮崎選手を始め戦力はある程度充実しているものの、もう1ランク上に行くには、下からの突き上げがさらに必要だろう。

先発投手はエースとして期待した今永投手や濱口投手が年間を通じて力を見せらなかった。東投手の活躍で何とか形となったが、総崩れの可能性もあった。ただし実績も素質も高い投手がそろっており、阪口投手、京山選手の台頭、上茶谷投手などの加入で層は厚い。

リリーフは須田、田中投手などが復活できず、パットン投手も昨年ほどの安定感はなかった。2017年ドラフトでも齋藤俊介投手、寺田光輝投手を獲得したものの、即戦力として働くことは出来なかった。それでも、リリーフエースの山崎投手はしっかりと役割を果たし、リーグ屈指のリリーフは健在だった。三上投手、三嶋投手の法政コンビも波はまだあるが1年間持ちこたえた。ただし、リリーフは負担の大きいポジションで今年、新たに戦力が増えていない事が気になる。

捕手は戸柱選手、嶺井選手、高城選手が持ち味を発揮し3人態勢で回しているが、高城選手がトレードでチームを離れ、伊藤選手が加わった。しかし昨年の戸柱選手のように打撃で貢献できる所まではいかなかった。今年もこの3人態勢で臨むが、ラミレス監督は現役時代に捕手の配球を読んでいたため、捕手の傾向が分析されていることを恐れていることから入れ替えは多く、黒羽根捕手など放出も少なくない。強肩を見せた山本祐大選手も1軍戦力に入ってきそうだが、トレードで出すことを考えながら捕手の獲得を狙うかもしれない。

またファームでは、宮本秀明選手や楠本泰史選手、山本祐大選手など1軍を伺う選手は増えたものの、重点的に育成をさせる野手の層が非常に少なく、大河選手、そして細川選手など期待の若手がやや伸び悩み傾向となった。ファームで今年2桁のホームランを打った選手はおらず、次世代の主砲候補は見当たらない。また将来のショート、そして捕手、センターを期待できる選手も少なく、センターラインを中心に将来がやや心配される。

ドラフト候補は

左の大砲、リリーフ投手という所が挙げられるものの、来年はそのポジションで注目選手がやや少ない事から、次世代の選手の獲得を中心に指名するかもしれない。

先発の頭数は多いものの、次世代のエースとして奥川恭伸投手、佐々木朗希投手、及川雅貴投手、西純矢投手は候補に挙がってくる。傾向から行くと佐々木投手が最優先という事になりそうで、次に地元・横浜高校で左腕の及川投手か。先発では明治大・森下暢仁投手、JR東日本の太田龍投手も実力十分で、高田GMだったら森下投手に行ったかもしれないが、同じ世代を集めるよりはすこし世代を空けた高校生投手を優先させそうだ。

2位では捕手が候補に挙がってくる。打撃のある東洋大・佐藤都志也選手は上茶谷投手とのコンビネーションも良く、第一候補に挙がってくる。他には、慶応大の郡司裕也選手、東海大の海野隆司選手、立教大の藤野隼大選手もいるが、若い世代の近江の有馬諒選手、智弁和歌山の東妻純平選手を獲得し、次世代の捕手として益子捕手とともに育てていく可能性もある。

内野手は昨年のドラフト1位で小園海斗を指名したことから、補強ポイントとして残るポジション。次世代を担う高校生と、現有戦力に刺激を与える選手がほしい。ショートで大きい当たりを打つ桐蔭学園の森敬斗選手、駿河総合の大型遊撃手・紅林弘太郎選手、智弁和歌山で実績のある黒川史陽選手、明秀日立で細川選手とともに注目されたJR東日本の糸野雄星選手などはしっかりと見極めて獲得したい。

リリーフ投手では東北福祉大の津森宥紀投手が筆頭になってくるが、国学院大・小玉和樹投手、日体大・北山比呂投手、近畿大・村西良太投手と立命館大・福島滉貴投手、JR東日本の西田光汰投手、JX-ENEOS・大場遼太郎投手あたりはマークをしそうだ。

次世代の大砲候補として右でも埼玉栄・和田康平選手、東邦・石川昂弥選手などは候補として挙がりそうだ。それでもやはり、清宮、安田、村上選手くらいのドラフト1位の目玉選手になっている選手でなければ、ポスト筒香は厳しいのではないかと思う。

1,2位指名予想

 1位2位
パターン1佐々木朗希佐藤都志也
パターン2及川雅貴津森宥紀
パターン3森下暢仁有馬諒

横浜DeNAベイスターズのドラフト会議
2019年のドラフト候補

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