全国高校野球選手権大会は全49代表校が初戦を終え、各球団のスカウトによるチェックも一巡した。中日は10日にスカウト会議を開いており、中日ドラゴンズの松永幸男スカウティングディレクターは今大会の高校生について「進学希望が多いが、投手にいい選手が多い。バッターは低反発と言われる中で本塁打も出てきて、年々対応力は上がってきているのではないか」と評価、特に投打二刀流の横浜・奥村頼人投手と、最速158キロ右腕の健大高崎・石垣元気投手の名前を挙げ、高く評価した。
投打二刀流・横浜の奥村頼人投手と健大高崎・石垣元気投手を評価
松永スカウティングディレクターが特に印象に残った選手として名前を挙げたのが、横浜(神奈川)のエースで4番の奥村頼人投手(3年)だ。「投手としても見ているが、あれだけ打てるようになった。地方大会で引っ張っての本塁打が印象的」と、打者としての急成長に目を見張った。今春のセンバツ優勝左腕は、夏の神奈川大会準決勝で2打席連続本塁打を放つなど、打撃でも非凡な才能を開花させている。
また、世代No.1投手との呼び声も高い健大高崎(群馬)の石垣元気投手(3年)についても、「簡単にスピードが出るし、研究されている中でゼロに抑えている」と、その圧倒的なパフォーマンスを称賛。夏の群馬大会決勝では4回パーフェクトリリーフを見せるなど、大舞台での勝負強さも光った。
松永スカウティングディレクターはその他にも、左肘のトミー・ジョン手術から復活した健大高崎の佐藤龍月投手、鳥取城北戦で12奪三振完封と圧巻の投球を見せた仙台育英(宮城)の吉川陽大投手、185cmの大型右腕、神村学園(鹿児島)の早瀬朔投手の名前を挙げた。
野手では、未来富山戦で本塁打と2本の二塁打を放ち5打点を挙げた高川学園(山口)の遠矢文太捕手に「パワーも対応力もある」とコメントした。
来年も楽しみな2年生たち
今大会で活躍が目立つ2年生にも言及。横浜の織田翔希投手、山梨学院の菰田陽生投手の両右腕、聖隷クリストファー(静岡)の高部陸投手、沖縄尚学の末吉良丞投手の両左腕の名前を挙げた。特に甲子園初登板となった高部投手には「球にキレがある。細身でまだまだ伸びしろもある」と、その将来性に大きな期待を寄せた。
10日にスカウト会議、指名候補を100人余りに
中日は10日にスカウト会議を開き、今秋のドラフト会議に向けた指名候補選手を100人余りに絞ったという。例年より少ない人数だが、今後も大学、社会人、独立リーグを視察し、有望選手の発掘を続けていく。
注目選手プロフィール
- 奥村 頼人(おくむら らいと):横浜/投手・外野手/左投/3年
- 石垣 元気(いしがき げんき):健大高崎/投手/右投/3年
- 佐藤 龍月(さとう りゅうが):健大高崎/投手/左投/3年
- 吉川 陽大(よしかわ あきひろ):仙台育英/投手/左投/3年
- 早瀬 朔(はやせ さく):神村学園/投手/右投/3年
- 遠矢 文太(とおや ぶんた):高川学園/捕手/右打/3年
- 織田 翔希(おだ しょうき):横浜/投手/右投/2年
- 菰田 陽生(こもだ はるき):山梨学院/投手/右投/2年
- 高部 陸(たかべ りく):聖隷クリストファー/投手/左投/2年
- 末吉 良丞(すえよし りょうすけ):沖縄尚学/投手/左投/2年






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