阪神が9月24日に、西宮市内の球団事務所でスカウト会議を開き、今秋の補強ポイントとして長距離砲の獲得を最優先事項としていることが明らかになった。1位競合必至の創価大・立石正広選手に加え、法政大の松下歩叶選手、仙台大の平川蓮選手らをリストアップ。さらに、右の先発候補として花園大の最速155キロ右腕・藤原聡大投手を上位候補として高く評価していることもわかった。
次世代スラッガー育成が急務、ポスト佐藤輝・森下を探せ
佐藤輝選手、森下選手、大山選手が形成する強力クリーンアップを擁する阪神だが、将来を見据えた時、次世代のスラッガー育成は急務だ。佐藤輝選手と森下選手は将来的なメジャー挑戦の希望を公言しており、大山選手も来季で32歳を迎える。セ・リーグでのDH制導入も決まり、長打力のある野手はこれまで以上に重要な存在となる。
その中で球団が熱視線を送るのが、大学球界を代表するスラッガーたちだ。最上位評価の立石正広選手(創価大)を筆頭に、日米大学野球でMVPに輝いた松下歩叶選手(法政大)、187cmの大型スイッチヒッター・平川蓮選手(仙台大)ら、侍ジャパン大学代表で活躍した選手をリストアップした。
立石選手は春のリーグ戦で5本塁打16打点の活躍を見せ、現在は8月にケガをした右足首の故障を負っているものの、先週の試合で代打で出場するなど復帰を果たしている。また、法政大の松下選手は立石選手と同じく右打ちの内野手で、昨秋リーグ戦で5本塁打を放つと、日米大学野球でも主将を務め、打率.318を記録し1本塁打、5打点と活躍、平川選手はスイッチヒッターの外野手だが187cmながら足も使えて長打も打てる選手として葛西スカウトが「走攻守でバランスが取れていて、左も右も長打が期待できる」と評価している。
他にも青山学院大の主砲で同じく大学代表で活躍を見せた小田康一郎選手、立教大の山形球道選手の他、エドポロケイン選手(大阪学院大)や西原太一選手(上武大)など、各地の魅力的な長距離砲タイプの選手の動向を注視している。
投手の目玉は藤原聡大投手
野手と並行して、右の先発投手も重要な補強ポイントだ。その上位候補として評価が急上昇しているのが、花園大の最速155キロ右腕・藤原聡大投手だ。三重県伊賀市出身で、その高い身体能力とバネの効いたフォームから忍者右腕として注目を集めている。
9月8日の登板では阪神も9球団のスカウトと共に視察、岡本スカウトは「出力が高く、球も強い」と評価すると、球団関係者も「上位でなければ獲れない」とその実力を認めている。藤原選手には複数球団から調査書が届いている模様で、争奪戦の様相も呈している。
スカウト会議の内容は沈黙も
スカウト会議後に出席者は沈黙を貫いた。阪神はかつて、スカウト会議でリストアップした選手などが新聞などでピタリと当てられて報道された事から、秋に入ってからはスカウトの情報は全く出さない方針を貫いている。
しかし、補強ポイントやそれまでのスカウトの評価などから、スラッガーや右のエースの獲得が予想されている。セ・リーグを圧倒的な力で制した阪神が、佐藤輝選手や才木投手などのメジャー移籍を念頭にどのような指名をしてくるのかが注目される。
藤原 聡大 プロフィール
- 氏名:藤原 聡大(ふじわら そうた)
- 所属:花園大学
- 出身:水口高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:177cm・75kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト上位候補。最速155キロ。高い身体能力と奪三振能力が魅力の“忍者右腕”。
松下 歩叶 プロフィール
- 氏名:松下 歩叶(まつした あゆと)
- 所属:法政大学 4年
- 出身:桐蔭学園高校
- ポジション:内野手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:181cm・85kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。強打の三塁手。日米大学野球選手権でMVPに輝いた。
平川 蓮 プロフィール
- 氏名:平川 蓮(ひらかわ れん)
- 所属:仙台大学 4年
- 出身:札幌国際情報高校
- ポジション:外野手
- 投打:右投両打
- 身長・体重:187cm・91kg
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト候補。大学日本代表。187cmの大型スイッチヒッターで、左右両打席で長打が期待される。




コメント