福岡ソフトバンク・東浜巨投手、東京ヤクルト・小川泰弘投手、横浜DeNA・井納翔一投手も好投

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 プロ野球オープン戦、ルーキー達の好投が相次いだ。福岡ソフトバンクのドラフト1位・東浜巨投手は最速137km/hながら、持ち前の制球力を見せて2回を1安打1三振で無失点に抑えた。

 東浜投手は3回から2番手として登板、初回に同じくルーキーで東浜と仲良しの埼玉西武・金子侑司選手との対戦となったが、いきなり90km/hのカーブを投げてストライクを奪った。金子選手にヒットを許したものの、永江恭平選手をチェンジアップでピッチャーゴロに抑えてピンチを切り抜けた。

 続くイニングには栗山選手を外角コースギリギリのストレートで見逃し三振に奪い、東浜投手の真骨頂を見せた。このピッチングができる限り、東浜投手は大丈夫だろう。

 東京ヤクルトのドラフト2位・小川泰弘投手も阪神とのオープン戦で3番手として登板し、最速147km/hのストレートとシュート、スライダー、フォークを武器に阪神4番・新井良太選手から三振を奪うなど2回をノーヒット1奪三振無失点に抑えた。小川投手は「技でいくよりも気持ちでいくしかないと思った。売り出すしかないので、抑えることだけを考えた」と話し結果を残した。東京新リーグで36勝を挙げた伝説のエースはプロでも伝説を作れそうだ。

 横浜DeNAのドラフト3位・井納翔一投手も3回を投げると、持ち前の低めにストレートや変化球を集めるピッチングで3回を3安打1奪三振無失点に抑えた。内野ゴロ5つとこちらも井納投手の特徴を十分に示し、中畑監督からもお墨付きをもらった。井納投手は「スプリットが一番の武器だけど、カーブで空振りを奪えたのが自信になった」と話した。かなりの天然で友利コーチから「あいつは宇宙人。宇宙と交信している」と言われるなど、ドラフト2位・三嶋一輝投手とともに強い神経の持ち主のようだ。こちらも楽しみ。

 

チームドラフト2位選手の活躍まとめ状況
横浜DeNA三嶋一輝 投 法大練習試合、オープン戦で好投し開幕ローテ濃厚
オリックス佐藤峻一 投 道都大2軍スタート
阪神北條史也 内 光星学院2軍スタート
千葉ロッテ川満寛弥 投 九共大1軍スタートもオープン戦に帯同せず2軍の試合出場へ
広島東洋鈴木誠也 内 二松学舎付2軍スタート
東北楽天則本昂大 投 三重中京大紅白戦、オープン戦で好投し開幕確実視
東京ヤクルト小川泰弘 投 創価大小川監督、今後先発起用へ
福岡ソフトバンク伊藤祐介 投 東北学院大2軍スタート
中日濱田達郎 投 愛工大名電2軍スターともオープン戦登板予定
埼玉西武相内誠 投 千葉国際入団未定
巨人大累進 内 道都大1軍で俊足見せる。オープン戦はまだ不発
北海道日本ハム森本龍弥 内 高岡第一2軍スタート

 「今までと違うユニホームの相手と対戦なので、朝から楽しみにしていました。結果にこだわらずにやろうと。どの球が通用するかなどを試しました」

 

 3回から2番手として登板。先頭の金子にいきなり右前打を許した。並の新人なら慌てる場面。ところが星孝の犠打で1死二塁とされ、得点圏に走者を背負っても平然としていた。永江をツーシーム、浅村をスライダーでそれぞれ投ゴロ、中飛に打ち取った。いずれも初球。打ち気にはやる打者心理を完全に読み切った。理想は「10安打完封」。本来の粘り強さを披露した。

 

 この日の最速は136キロ。それでも抑えた。東都大学リーグで史上最多の22完封を記録した実績通りの投球。大学時代の恩師、亜大・生田勉監督は「彼にとってオープン戦や紅白戦は、球に打者がどう反応するか、などを試す時期」と明かす。東浜がプロでも大学時代と同じ調整をすると予想していた指揮官は「決してふざけているとか、(プロを)なめているとかではないので誤解のないように」と事前に球団側に連絡していたという。

 「ヤクルトのライアン」ことドラフト2位右腕・小川が、先発候補に急浮上した。5回を3者凡退に打ち取り、続く6回だ。先頭に4番・新井良を迎え、マウンド上での眼光が一層鋭くなった。初球は142キロの高めの直球で空振り。2球目は128キロフォークで再び空振りを奪うと、3球目は127キロの外角スライダーで見逃し三振に斬った。

 

 「技でいくよりも気持ちでいくしかないと思った。(自分を)売り出すしかないので、抑えることだけを考えた」。2回無失点に抑えた18日の韓国KIA戦(浦添)に続き、この日は最速147キロをマークして2試合連続無失点。13安打を浴びた投手陣の中で唯一無安打に抑えた新人右腕について、小川監督は「度胸よく投げ込むので頼もしい。先発もある」と今後の先発起用を示唆した。

 「スプリットが一番の武器だけど、カーブで空振りを奪えたのが自信になった」。先発で3回3安打無失点。スライダーとスプリットの制球に苦しんだだけにカーブが生命線となった。2回には先頭のサブローを同球種で空振り三振。最速144キロの直球で緩急をつけ、二塁を踏ませなかった。

 

 1メートル88の長身でNTT東日本時代に付いたニックネームはイノビッシュ。ダルビッシュと名前が組み合わさっているが、本家とは違い、精度の高い変化球で内野ゴロの山を築く軟投派だ。投球以上に強烈な印象を与えるのが個性的な性格。友利投手コーチは証言する。「あいつは宇宙人。宇宙と交信している」。新人合同自主トレの練習後にはグラブを2つ重ねてバットで叩き、「はい、バナナの叩き売りだよ!」と絶叫。そのパフォーマンスはスベったが、規格外の天然キャラだ。

 

 試合でもこんな場面があった。3回に社会人時代の先輩・清田に強烈な強襲打を浴び、足を気にするそぶりを見せた。だが、慌ててマウンドに向かった友利コーチに「グラブに当たりました」と苦笑い。同コーチが「なら捕れ!」と怒って、胸を小突こうとすると逃げるようなしぐさを見せ、スタンドの笑いを誘った。

 

 前日のオリックス戦(宜野湾)で3回無失点の2位・三嶋に続く好投。中畑監督も「やっぱり名前通りでしょ。いーのー」と喜んだ。「監督の要求も高くなる。スプリット、スライダーを修正しないと」と井納。慢心はない。先発候補へ、一風変わった男が名乗りを上げた。

 西武のドラフト3位・金子が東浜討ちで猛アピールした。先頭の3回、東浜から右前打。初球が予想外のカーブで驚いたが、3球目の直球を冷静に叩いた。「直球を狙っていた。打てて良かった」と振り返った。

 

 ソフトバンクのドラフト1位右腕とは、立命大3年で出場した日米大学選手権でチームメートだった。今でも食事に出掛ける仲。この日は7番・二塁で2試合連続スタメンで起用され、親友との対戦が実現した。

 

 結果も出たが、課題も出た。2点を追う5回無死一、二塁でバント失敗。渡辺監督も「失敗で(右前打は)取り消し。勉強だね」と手綱を締めた。チームのルーキーの中では唯一の1軍帯同となる。競争を勝ち抜くために、金子は「次に生かす」と失敗さえも糧としていた。

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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