2013年夏、地方大会を終えて3 ~戦いに敗れたドラフト1位候補・渡辺諒選手~

東海大甲府, 渡辺諒

 夏の高校野球地方大会、1年生、2年生で活躍を見せた選手も、やはり3年生の夏は3年間の集大成という思いがあります。その夏を悔いなく戦う事ができるかの難しさがあります。繰り返しますが、今年の高校生のドラフト1位候補は、桐光学園・松井裕樹投手、大阪桐蔭・森友哉捕手、東海大甲府・渡辺諒選手の3人と言って良いでしょう。そして甲子園に出場する事ができたのは大阪桐蔭の森友哉選手のみでした。

 東海大甲府・渡辺諒選手は茨城県出身で、中学時代から遊撃手として全国大会で活躍を見せ、また陸上の短距離選手として100m11秒4を記録し注目された選手でした。東海大甲府に入学すると1年の春季大会で高橋周平選手の後ろの4番を打ち、バックスクリーンにホームランを放ちました。1年の夏は4番ファーストで出場するも3試合7打数で0安打1打点、準々決勝で姿を消してしまいます。

 2年生は飛躍の年でした。高橋周平選手が抜けた遊撃手に入ると打順でも1番に入り、夏の山梨大会では18打数9安打2打点、8得点5盗塁と本来の躍動感を見せて甲子園に出場を決めた。甲子園ではショートで素晴らしいプレーを見せ、打席でも宇部鴻城戦で同点に追いつく2点タイムリー3ベースヒットなど、19打数6安打3打点でチームをベスト4に導いた。最高に近い夏と言ってよい。

 そして最後の夏、高橋周平選手が抜け、神原友投手が抜けて3年生となった渡辺選手に重圧がかかり、密かに行っていたという投手としてマウンドに登ると146km/hを記録した。打撃では再び4番に戻ると1ホームランを放ち勝利するなど活躍を見せたが、準決勝では自らの遊撃手での2つのエラーと投手として暴投と悪送球で失点して敗れてしまう。全体でもノーヒットの試合もあり13打数3安打5打点だった。

 主将、4番、遊撃手、そして投手。持っている能力のために全てを背負った形になってしまった渡辺投手の最後の夏は悔いの残るものになってしまった。

 おそらく1番打者タイプなのだと思う。チャンスに弱いわけでは無いが、1番で出塁して好きなように走らせて伸び伸びと躍動感を見せるような、そういう選手として今後プロの世界でも活躍していく事になるでしょう。進路の表明はありませんが、パンチ力もあり強肩で、球界屈指の1番遊撃手の姿がイメージできる渡辺選手をプロ野球は待ち望んでいます。


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