秋季高校野球大会は関東大会、九州大会で決勝のカードが決まった。
好投手が完投、完封
桐生第一は1年生エースの山田知輝投手が佐野日大を6安打3奪三振で完封勝利した。山田投手は最速135km/hのストレートを軸に打たせて取るピッチングを見せた。きれいなフォームから投げられるキレの良いストレートが特徴で、1年生で名門・桐生第一のエースに抜擢された実力を発揮した。また打撃でもセンスが高く、この日も痛烈なゴロで内野手の間を抜けるライト前ヒットで先制点を奪った。
佐野日大は145km/h左腕・田嶋大樹投手は連投の為か調子が悪く先発はしなかった。その先発が初回に4失点しリリーフ登板したものの、勝ち越すまでには至らなかった。
白鴎大足利は来年のドラフト候補が好投
白鴎大足利は185cm88kgで141km/hを投げる右腕の比嘉新投手が先発すると、ストレートは130km/h前後だったが、スライダーを軸に打たせて取り7安打1失点で完投勝利。期待の大型右腕でこの冬の成長が楽しみな投手。
九州大会決勝は沖縄尚学vs美里工
沖縄尚学は準決勝で鎮西高と対戦し、エースの山城大智投手が9回を1安打に抑えるピッチングを見せた。山城投手は2年生でこの夏の甲子園ではリリーフで2試合に登板し合計5イニングで2失点、137km/hを記録していた。この日は27アウトの内17を内野ゴロと打たせて取るピッチングを見せた。スクイズで1失点し完封はならなかった。
美里工もエースの伊波友和投手が11安打を許しながらも1失点と粘り強い投球を見せた。伊波投手は178cmの右腕で最速141km/hを記録している。
九州大会史上初となる沖縄同士の対戦となるが、今年は夏の大会、秋の県大会と対戦し1勝1敗、どちらが強いのか今年の覇者を決める大一番となる。
桐生第一の右腕、山田がまた仁王立ちした。準々決勝からの連投は、緩いカーブなど変化球を主体に打たせて取り、わずか99球の省エネ完封。これで今大会は3試合27回で1失点。「打たれた球が正面に飛んだり、運もあると思う」と謙遜したが、自責はゼロだ。
1年生ながら「エースで4番」を張る。バットでも、初回に右翼への痛烈な安打で先制点を演出した。入学後半年で、全国制覇経験もある伝統校の大黒柱を務める状況にも「責任感は持たないとという意識でやっている」と自覚は十分ある。
OBの藤岡(ロッテ)にあこがれる。現在は最速135キロ。「もっと速い球を投げて、真っすぐで押したい」という課題を見据えつつ、まずは関東の頂点を狙う。
連投のエース右腕、比嘉は5四球を出しながらも7安打1失点で完投。「あす(決勝)もいけといわれれば、いきます」と目を輝かせた。「ランナーを背負っても粘り強く投げてくれた。精神的に成長してきた」と藤田監督。センバツ初出場は有力となっており、初優勝に向けて「いつも通りの攻めの野球ができればと思います」と無欲を強調した。
沖縄尚学は山城大が2回戦、七回コールドゲームだった準々決勝に続き、この日の準決勝でも完投。31日の決勝を見据え、エースは「大会前から2連戦は頭に入れている。取り組んできたことを出したい」と話した。
初優勝を狙う美里工は伊波がスプリットを効果的に使い、強打の神村学園を1点に抑えた。県大会決勝では沖縄尚学を破っているが、神谷監督は「のびのびやらせたい。ぶつかっていく気持ちでいく」と話した。
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