プロスカウト幹部クラスが甲子園で居残りで視察をした理由とは?

大阪桐蔭, 横川凱, 小園海斗, 藤原恭大, 根尾昂, 柿木蓮, 渡邉勇太朗, 吉田輝星

この夏の甲子園は、全チームが出場した後も、特に大阪桐蔭の試合を中心に多くの球団の幹部クラスが視察を行ったが、大阪桐蔭の藤原恭大選手、根尾昂選手の打撃をチェックするだけでなく、大阪桐蔭の他の投手の投球を見たかったという理由もある。

大阪桐蔭の投手の評価

大阪桐蔭は根尾昂投手、柿木蓮投手、横川凱投手がローテーションのように先発するが、3人ともドラフト候補であり、そしてスカウトからすると、まだ評価が定まっていない要チェック投手だった。

今夏の大阪桐蔭は、1回戦の作新学院戦で柿木投手が9回1失点完投勝利すると、2回戦の沖学園戦で根尾投手が先発し8回4失点、柿木投手が1回をリリーフした。そして3回戦では横川投手が先発し5回3安打9奪三振1失点の投球をして柿木投手が4回を無失点に抑えた。3人の投手を見るためには3回戦までは見る必要があったことになる。

根尾選手は遊撃手として評価されるものの、福岡ソフトバンクの永井編成・育成部兼スカウト室長は、「投手がダメだというわけじゃなくて、それ以上に野手としての評価が高いので、野手として見ている球団は多いと思いますよ。でも、甲子園でえらいピッチングでもしようものなら、また評価がガラッと変わるでしょう」と話し、甲子園での投球にも注目をしていたという。

また、横川投手についてもオリックス・谷口悦司スカウトが、「見たかったんですよ。こういう舞台でどれくらいのピッチングができるかを」と話し、「特にウチは今、若い左投手がいないので」とビデオを撮影していた。横川投手も2回戦終了後に、「僕に投げさせてほしい」と西谷監督に直訴をしたようで、「そういうところがなかった子。大きな成長が見られました」と西谷監督も喜んで先発をさせたという。

横川投手は球速は137キロどまり、谷口スカウトは「腕が長すぎるのかな? 試合中に修正が効かなくなるときがありますね。球を置きに行ってしまうのか、6分くらいで投げている感じなのかな? バタバタして、ちょっとやばいかなとも思いました。でも、スピードはもっと出ますね」と評価し、視察した収穫を話していた。

高校生中心ドラフトに

しかし、これらの3投手が一通り投げた後も、各球団はスカウトの幹部クラスが甲子園に足を運んだ。準々決勝では6球団のスカウトが視察に訪れ、根尾選手の本塁打、藤原選手の2本のホームラン、報徳学園の小園海斗選手、そして金足農の吉田輝星投手、浦和学院の渡邉勇太朗投手の投球を視察した。

今年は社会人のドラフト上位候補がやや少なく、大学生では春に東洋大の甲斐野央投手、上茶谷大河投手、日体大の松本航選手、立命館大の辰己涼介選手が注目されたものの、その他の候補が目立った成長を見せられなかった。もちろん、甲子園後の大学秋季リーグシーズンで大学生候補の注目度が増すことになるものの、この夏の甲子園の、高校生たちの活躍と、各球団のスカウトの動きで、今年のドラフトは高校生中心という雰囲気が伝わってくる。

藤原選手、根尾選手、小園選手、柿木投手、吉田投手、渡邉投手が最終的に高く評価され、ドラフト会議で指名されていくことになるかもしれない。

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ところが、大阪桐蔭の場合はこれだけでは終わらない。続く3回戦。つまり、3周り目。確認できただけでも、2球団のスカウトが姿を見せたのだ。続いてのお目当ては、3番手投手の横川凱(3年)。高岡商戦に先発した「控え左腕」を視察するためにプロのスカウトがまた、しかも3回戦の甲子園へとやって来たのだ。
「見たかったんですよ。こういう舞台でどれくらいのピッチングができるかを」
そう語ったのは、オリックス・谷口悦司スカウトだった。関西担当で、大阪桐蔭OBでもあり、現役時代は左腕投手。動画を撮影しながらのチェックは、まさしくドラフト候補としての位置づけだ。
横川は、柿木、根尾の存在でどうしても目立たない。2年生だった昨春の甲子園2回戦、静岡戦で先発しながら、1死しか取れずに5失点で降板。それでも、身長190センチの恵まれた体格にその高いポテンシャルを見いだす球団は多く、「特にウチは今、若い左投手がいないので」と谷口スカウト。オリックスの左腕の最年少は21歳だけに、将来性を見込んだ下位指名なら十分に可能性がある候補選手の一人だ。


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