一定期間での球数制限導入が早ければ来年センバツに導入も

日本高野連はこの日、「投手の障害予防に関する有識者会議」を行い、元横浜高校の渡辺監督や元智弁和歌山の高嶋監督、他にも医師や大学教授などから様々な意見が出て、大会中の一定期間での球数制限が必要という事を、答申に盛り込む事が決まった。

球数制限の議論

少年野球、そして高校野球で肩やひじを痛め、その後、野球を続けられなくなるばかりでなく、日常生活にも支障をきたす事は、以前から問題となっている。その中で昨年の夏の高校野球で、金足農の吉田輝星投手が甲子園6試合で881球を投げ、さらに秋田大会も一人で投げていた事による投球過多が議論を呼び、昨年末に新潟高野連が球数制限の導入を発表するなど、高野連も動き始めていた。

この日は、その新潟県高野連の富樫信浩会長や、高野連の医科学委員会委員を務める正富隆氏、渡辺氏、高嶋氏といった元高校野球の監督が出席し、まずは正富氏より球児の実態調査のデータや、医学的な学術論文が示され、球数制限の必要性についての話がされた。

それに対して実際に試合に参加していた監督の意見として、元横浜高校監督の渡辺氏も、一人で投球をさせたのは1998年の松坂大輔が最後、その後は投球数を考え起用をしていたことを話すと、高嶋監督も1996年にプロ注目の逸材だった高塚信幸投手が2年春のセンバツで好投を見せ、その後、肩を痛めた教訓を話し、それからは複数の投手でやってきた事など、現場でも工夫をしている事が伝えられた。

そして高嶋氏は、「人によって50球でダメになるものもいれば、200球投げて大丈夫。」と選手によって差があることを指摘し、「球数制限はどうかな。公立校はいても2人。甲子園に出られなくなる。醍醐味がなくなってしまう」と話した。

座長を務めた慶応大の中島教授は「一定の期間を設けて投球数に制限をかける方が、大切に育てようという方向に向かうのではないか」と話し、「一定期間の中での投球数について球数制限をかける事に反対意見は出なかった」と、答申に盛り込むことを決めた。

具体的には、1大会において、3回戦以降1週間などの一定日数内に対し、300~400球程度の制限をするという内容になる。こうなると、公立校などは3回戦前後までは1人の投手が活躍すれば勝ち上がってこれるが、4回戦以降のエースが投げられなくなる試合も出てくる。また、まずは全国大会で実施をするという方向性も示されたが、確かに、全国に出てくるチームは、エース級を複数人備えているチームが多いものの、昨年の金足農だと、吉田投手が決勝戦で登板できなくなる。

高野連がここまで本腰で取り組んでいるのであれば、特に夏の地方大会、そして甲子園の期間を長くすることができないか。球場の確保や大会運営に支障もあるし、遠征して滞在するチームも負担が大きくなる。さらに大会期間中に試合のない日が多くなると、盛り上がりが欠けるようになるかもしれない。ただ、球数制限の議論だけではなく、高校野球、少年野球など全体を通しての議論が必要だろう。

 


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