天理高の193cm右腕・達孝太投手が、宮崎商との試合で先発し、9回161球を投げて1失点で完投勝利した。スカウトからは将来性を高く評価する声が聞かれている。
146キロ連発
先発した達孝太投手は、初回から自己最速の146キロを記録し、2回までに5度、同じ球速を計測した。長身でまだ少し線は細く感じられるものの、バランスが良く腕をしならせて投げるフォームから、威力ある球を投げた。
しかし、マウンド上では苦しんだ。ストレートが高めに浮き、変化球がやや緩かった。宮崎商打線も高めを思い切りは振らず、当ててファウルにした。球数が2回までに50球と序盤から非常に多かった。それでも、「後半はストライクを取りにいきました。ちょっと球速を落として低めに。135から40の間でもけっこう空振りが取れました」と球速を抑えて投げ、また「走者が得点圏に入ってきたときにギアを一つ上げられた」とランナーを許しても8回の1点しか許さず、9回を投げて161球、6安打10奪三振3四死球で1失点、完投勝利を挙げた。
試合終了後には「けっこうしんどかった。30点です」と自己評価するなど、苦しい投球にはなったが、十分力を見せた。
スカウト評価
甲子園のスタンドからは、達投手に熱視線が注がれ、それぞれ非常に高い評価をしている。
○中日・米村明スカウトチーフ:「見るたびに良くなっている。スライダーもカウント球になるし、フォークも決め球にしようと努力している様子が見える。順調にいけば夏にハイクラスなスピードを出して、外れを含めてという存在になると予測できる。プロ志望届を出したら上位候補だし、1位指名も十分にありうる。体ができれば、手が付けられなくなる。」
○阪神・山本スカウト:「ウチの晋太郎もそうだが、前で球を離せるのが長所。手足の長さには、人が持っていないものがある。魅力はストレート。甲子園でこの球速が出たのも評価できる。体の大きさもあるし可能性を秘めた子。夏までマークしていく。」
○福岡ソフトバンク・永井編成本部長兼スカウト部長:「一番の魅力は伸びしろ。あの上背から投げているフォームのバランスがいい。力がついたらもっと良い球を投げられると思う。」
○東京ヤクルト・小川GM:「長身から力のある球を投げて、球のリリースが速く、高めに浮いていたけど、まだ春なので、下半身を強化したらもっと良くなる。素材は素晴らしい。すごく魅力を感じた」
○埼玉西武・渡辺GM:「高橋光成のように上背があって、角度があるボールを投げる。体がもっとしっかりしたら、もっと速くなるし、将来性がある」
○広島・苑田スカウト統括部長:「あれだけの体があって、腕も振れるのだから楽しみな選手。体ができれば150キロはすぐに出る。」
○千葉ロッテ・榎アマチーフスカウト:「身長が魅力。ガン以上にスピードを感じる」
○東北楽天・後関スカウト部長:「大きいし、球に角度がある。素材としては楽しみ」
○オリックス・牧田編成副部長:「捉えた打球が伸びず外野を越されるイメージができなかった。スケールの大きさは魅力。」
○オリックス・谷口スカウト:「真っすぐの質がいい。ベース上で垂れないし、勢いがある。変化球も器用に投げられるし、将来性豊か。」
○横浜DeNA・進藤編成部長:「身長あって、体も使えている。素材はいい。これからどこまで伸びるか楽しみな投手ですよね。」
○横浜DeNA・河原スカウティングディレクター:「身長が高いしマウンドに立ったときの威圧感がある。藤浪のような感じ。変化球の感覚も良さそうで、将来が楽しみな投手」
○巨人・榑松スカウト部次長「柔軟性があってバランスがいい。投手らしい投手。最終回でも145キロを投げている。投げる体力があるのも魅力。順調になっていけば、ドラフト上位候補になってくる好素材。スケールが大きくて楽しみ」
○北海道日本ハム・大渕スカウト部長:「190センチあって腕も長くて。しなやかさと力強さもある。ひ弱さを感じない。考えて投げて修正力もある。素質、意識の高さを感じる。」
大ブレークする直前の状態という感じがする。球速、または変化球がもう一つ上がれば、一気にプロでも10勝できると言われる投手になるのではないかと思う。夏までに非常に注目される投手となりそうだ。
「ランナーが二塁、三塁になったときはギアを上げて。後半はストライクを取りにいきました。ちょっと球速を落として低めに。135から40(キロ)の間でもけっこう空振りが取れました」
その一方で自己最速に並ぶ146キロもマーク。八回まで毎回10三振を奪い、6安打1失点。161球で最後まで投げ切ってみせた。「完投する時は120、30球。でも(2番手は)考えていなかった。達はどんなことがあっても投げ切るといっていたので」という中村監督の信頼に応えた。
▼中日・米村明アマスカウトチーフ 順調にいけば夏にハイクラスなスピードを出して、外れ(1位)を含めて…という存在になると予測できる。体ができれば、手が付けられなくなる。
▼オリックス・牧田勝吾編成部副部長 捉えた打球が伸びず外野を越されるイメージができなかった。スケールの大きさは魅力。
▼広島・苑田聡彦スカウト統括部長 あれだけの体があって、腕も振れるのだから楽しみな選手。体ができれば150キロはすぐに出る。
▽阪神山本スカウト 手足の長さには、人が持っていないものがある。魅力はストレート。甲子園でこの球速が出たのも評価できる。
▽ソフトバンク永井編成育成本部本部長兼スカウト部部長 一番の魅力は伸びしろ。あの上背から投げているフォームのバランスがいい。力がついたらもっと良い球を投げられると思う。
巨人・榑松(くれまつ)スカウト部次長「柔軟性があってバランスがいい。投手らしい投手。投げる体力があるのも魅力。順調になっていけば、ドラフト上位候補になってくる好素材」
ヤクルト・小川GM「長身から力のある球を投げて、すごく魅力を感じた」
ロッテ・榎アマチーフスカウト「身長が魅力。ガン以上にスピードを感じる」
楽天・後関スカウト部長「大きいし、球に角度がある。素材としては楽しみ」
「目標はメジャー」と公言するスケールの大きさが魅力だ。これまで将来性を価値を見いだす声が多かったプロ側の評価も変化。中日の米村明チーフスカウトが「見るたびに良くなっている。スライダーもカウント球になるし、フォークも決め球にしようと努力している様子が見える。プロ志望届を出したら上位候補だし、1位指名も十分にありうる」と高評価を与えれば、ヤクルト・小川シニアディレクターも「球のリリースが速く、高めに浮いていたけど、まだ春なので、下半身を強化したらもっと良くなる。素材は素晴らしい」と絶賛した。
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