専大松戸で最速151キロの速球を投げ、今年のドラフト上位候補と注目される平野大地投手が、甲子園初登板で完封勝利を挙げた。この試合には12球団のスカウトが視察し、巨人は北海道日本ハムのスカウト部長などが評価をしている。
投球術で完封
平野大地投手は最速151キロを記録し、この日も最速は146キロだったが、ストレートの出力は抑え気味に100キロ未満のカーブやフォークボールを織り交ぜて、常葉大菊川打線を抑えていく。
9回には両足をつったものの、2アウト2塁の場面で139キロの角度のあるストレートでつまらせてサードゴロに仕留め、9回7安打6奪三振で完封勝利を挙げた。「なんとしても自分で抑えたい」と気持ちを高め、「1回、1回、0点で抑える気持ちで。最後は気持ちで投げきりました」と話した。
150キロ前後のストレートを用いた投球ではなく、冬は股関節と肩甲骨周りの柔軟性を高める取り組みを続け、ゆったりとしたフォームからリリースの瞬間に力を入れるフォームで「秋までは目いっぱい腕を振って速球を投げようとしていた。今は回転数のいい球を投げられている」と球質の向上を目指した。それを生かした投球となった。
この日は12球団のスカウトが視察をしているが、
◯埼玉西武・潮崎編成グループディレクター:「総合力の高いピッチャー。これからも追いかけていく選手。」
◯東京ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク:「球も速いし、カーブ、スライダーもうまく投げる。緩急の使い方がいい。潜在能力抜群の選手だと思います。」
◯横浜DeNA・八馬アマスカウトグループリーダー:「いいときよりは馬力が物足りなかった。でも器用さもあるし柔らかい。素材はいいと思う。」
◯北海道日本ハム・大渕スカウト部長兼GM補佐:「秋よりも間違いなくよくなっている。多彩な変化球を扱えるコンビネーションピッチャー。今後がとても楽しみ。」
◯巨人・水野スカウト部長:「あとは変化球がどれだけ投げられるか」
と評価した。
スカウト陣もまずはこの日の投球を評価した上で、やはり将来的な出力の強さを見たい所ではあると思う。センバツ後にも何度も足を運んで平野投手の投球をチェックすることになりそうだ。
ちょうど、試合が行われているときに、侍ジャパンが世界一となった。このタイミングで投げていた事について、「WBCと同じ時に甲子園で試合ができるのも、何かの縁があるのかな」と話し、「将来は日の丸を背負ってやりたいというのがあるんですが、もっと技術面を磨いていかないとそこにはいけない。こだわりながらやっていきたい」と将来の目標にしっかりと世界一を入れている。
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