大阪桐蔭のドラフト1位候補左腕・前田悠伍投手がこの夏初登板をし、東海大大阪仰星を6回4安打4奪三振2失点、2本のホームランを浴びたものの安定した投球を見せた。この試合には12球団のスカウトが視察に集まっている。
146キロ
センバツの登板以降、前田投手は春の大会にベンチ入りせず、体力をアップを図ってきた。夏の大会も4回戦となったこの日が最初の登板となった。
初回は三者凡退、力感が無くても伸びてくる前田投手の球を見せた。しかし2回にストレートを運ばれて先制を許すと、6回には2本目となるホームランを浴びた。6回を投げて4安打4奪三振2失点の投球に「甘い球が行って打たれてしまった。自分の力不足だと思う」と反省も、「練習のブルペンでも状態は上がってきてますし、まだまだ上げていけます。プラス思考です」と話した。
この日の最速は広島スカウトのスピードガンで146キロだった。視察したスカウトからは、
広島・鞘師スカウト:「チェンジアップも使い分けている。コントロールもまとまっているし。投球のセンスがいいですね。うちで言うと、マエケンみたいな感じ。左のマエケンですよね。相手を見て、強弱をつけ、押し引きができる。これは、みんなできるものではないものを彼はできる。完成度が高いです」
オリックス・谷口スカウト:「圧倒する感じはない。自信なさげそうにも見えた。しかし尻回りが大きくなり、しっかりトレーニングをしてきたことが見て取れる。気持ちが乗ってくれば上がってくると思う。素材は間違いない。うちの宮城みたいになれる可能性を秘めている」
中日・山本スカウト:「本来の持ってるものをまだ出し切れていない。チェンジアップが決まるから、どうしてもチェンジアップを放りたがる。状態の良いときに戻ってきてくれることを期待しています」
東京ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク:「球威は戻ってきているのかな。制球はあともう少しなのかなと思いました。変化球を操れるのは、誰もが後々、身に着けられるものではない。あとはまっすぐと体力をつければいいだけですから。高校生のスタートラインで言うと、高いところにすでにいます」
巨人・渡辺スカウト:「まっすぐは元に戻りつつある。どのボールでも空振りが取れる。チェンジアップもいいが、スライダーがいい。これから上がってくるでしょう。元々、緩急を自在に操るタイプだから。打たれても崩れることはない選手。これからもマークしていく選手」
北海道日本ハム・武部スカウト:「投球術と球のキレですよね」
それぞれが現在の状態と、その将来の投球スタイルについてイメージしながら評価を見せた。
夏の始動としてはまずまずという状況で、これから続く夏の連戦で状態がどのように上がっていくのか注目したい。
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