侍ジャパンU18代表の壮行試合で、大学代表を相手に先発した前田悠伍投手が、2回3安打3奪三振無失点の好投でその力を見せつけた。
大学代表相手に好投
先発した前田悠伍投手は、145キロのキレのあるストレートとチェンジアップを織り交ぜ、大学代表でドラフト候補の1番・宮崎一樹選手、2番・辻本倫太郎選手から連続三振を奪う。3番で来年のドラフト1位指名確実の明治大・宗山塁選手にはセンター前にヒットを許したが、4番でこちらも来年のドラフト1位指名確実の青山学院大・西川史礁選手をセカンドゴロに抑えた。
2回は上田希由翔選手に逆方向にうまく運ばれてヒットを許したが、何度もけん制をして盗塁をさせずに、進藤勇也選手をサードゴロで併殺をとり、その後、渡部聖弥選手に安打を許したが、中島大輔選手から三振を奪った。2回3安打3奪三振無失点だった。
この日は大学生の投手が150キロを連発し、最速145キロの前田投手は主役にはなれなかったものの、高校1年時の頃の145キロ前後のストレートに切れがあり、変化球で抑えるスタイルが蘇った。その後の大学代表は8点を奪っており、2回までの前田投手の投球が再評価される形となった。
「先発の役割を果たそうと丁寧に低めに投げ込めました」と話した前田投手、「ツーシームとチェンジアップが通用するかなと思いました」と変化球が通用したと話した。
この日は12球団のスカウトが視察し、首脳クラスも視察をした。阪神は畑山統括スカウト以下4人態勢で視察をした。
巨人・大塚球団副代表:「高校生ではNo・1でしょう。チェンジアップなど変化球も良く、将来性もある」
広島・苑田スカウト統括部長:「直球もチェンジアップもいい」
千葉ロッテ・榎アマスカウトグループディレクター:「変化球を器用に投げ、ピッチングがうまい。ストレートの球速も戻りつつある。あのチェンジアップは、大学生でもなかなか打てない。真っすぐのスピンが効いていて、もっと速くなれば、変化球もさらに生きてくる。」
東京ヤクルト・伊東編成部長兼編成グループチーフ:「空振りがよく取れていましたし腕が振れていた。フォームに変なクセもないですし、このまま伸びてくれたらいいですね。」
東北楽天・後関スカウト部長:「元気に投げられていたのがいい。ボールに力もあった」
中日・松永スカウト部長:「予選よりも良くなっている。試合を作れるコントロールの良さ、変化球の良さ。本来の真っすぐが戻ればいいですね。」
中日・音チーフスカウト:「いいボールが続かない状態だったが、きょうは良かった。ドラフト上位候補」
この日は大学代表で158キロを記録した細野晴希投手の投球を近くで見て、「フォームだけを見ていたら、158キロが出ているように思えないような力感というか、脱力して投げ込んでいた。本当にそこは、自分の参考にしたいところ。どれだけ脱力できるかが大事だと思う」と話した。「気持ちで負けないというところが一番勉強になった。台北に行っても、それをすべて出していきたい」と話した。
馬淵監督は「スペインは前田以外でいきます」と話した。2戦目のパナマ戦、または3戦目のアメリカ戦での先発が予想される。


今夏は大阪大会決勝で敗れ、甲子園には出場できなかった。聖地で見られなかった現状を確認すべく、畑山俊二統括スカウトら4人態勢を敷いた阪神を含むNPB12球団がネット裏から熱視線を送った。今秋ドラフト1位候補がズラリと並んだ大学生投手にも負けない輝きに、巨人・大塚淳弘球団副代表が「高校生ではNo・1でしょう。チェンジアップなど変化球も良く、将来性もある」と絶賛すれば、広島・苑田聡彦スカウト統括部長も「直球もチェンジアップもいい」と評価した。

「変化球なら、ツーシームとチェンジアップが一番通用するかなと思った」と前田。視察したロッテ・榎アマスカウトグループディレクターは「変化球を器用に投げ、ピッチングがうまい。ストレートの球速も戻りつつある。あのチェンジアップは、大学生でもなかなか打てない」と感心した様子で話した。

▽ヤクルト伊東編成部部長兼編成グループチーフ 空振りがよく取れていましたし腕が振れていた。フォームに変なクセもないですし、このまま伸びてくれたらいいですね。
▽中日松永スカウト部長 予選(大阪大会)よりも良くなっている。試合を作れるコントロールの良さ、変化球の良さ。本来の真っすぐが戻ればいいですね。

履正社戦に敗れて6季連続の甲子園を逃した大阪大会の後も後輩と一緒に練習。U―18代表入りに備えた。初優勝に向け「出せる力をすべて出し切りたい」と力を込める左腕は大学日本代表相手の快投がNPBスカウト陣へのいいアピールになった様子。中日の音チーフスカウトは「いいボールが続かない状態だったが、きょうは良かった。ドラフト上位候補」と復調傾向をあらためて評価した。


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