侍ジャパンU18代表の壮行試合が行われ、大学代表の左腕・細野晴希投手が158キロを記録し、高校と大学のスター選手が集まる試合で主役を完全に奪い取った。
1イニング
この日の大学代表は10人の投手を細かくつなぐ継投で、細野晴希投手は5番手として5回に登板した。小林隼翔選手に148キロの後に152キロ、156キロと威力あるストレートを投げ続けて三振を奪うと、続く知花慎之助選手からも2者連続三振を奪う。そして緒方漣選手の打席で高めに浮いたストレートが158キロを計測した。
13球を投げて11球が150キロ超え、変化球は1球しか投げなかった。158キロは高めのボール球だったが、その前には157キロも記録しており、まさにストレートで圧倒した。1回ノーヒット2奪三振の投球に、「変化球を投げたらもっと楽だな、という場面も何回かあった」と話した。
「自分の出力が上がっているか確かめたかった。初めてこういう大人数の中に立ったので楽しかった」と話す。春は2部リーグで5勝0敗を挙げ、1部2部入れ替え戦でも好投して東洋大を1部に昇格させると、侍ジャパン大学代表選考合宿、そして日米大学野球と投げ続けた。疲労により調子を崩す投手も少なくない中で、細野投手はトレーナーの北川雄介氏の指導を受け出力アップに取り組み、この日、その結果を披露した。
この日は12球団のスカウトが首脳クラスも含めて視察をしたが、巨人は大塚球団副代表、水野スカウト部長の他に吉村国際部長など編成部がそろって視察した。
大塚球団副代表:「驚いた。プロでも158キロを投げる投手はなかなかいない」
東北楽天・後関スカウト部長:「1イニングだったら、もともと馬力はある。能力は分かっています。長いイニングを投げる投手。リーグ戦で見たい。」
千葉ロッテ・榎アマスカウトグループディレクター:「春も直球は良かったが、変化球に頼りがちだった。本来の直球をあれだけ投げられればいい。スピードも戻ってきている。春より確実に良くなっている。」
この日、唯一不満だったとすれば、必殺球のスライダーを投げなかったこと。低めに鋭く沈むスライダーも日米大学野球では圧倒的な威力をみせながら、捕手が止められずにランナーを進めてしまう事もあり、この日に決め球にスライダーを使わなかったのは、振り逃げのリスクを減らす狙いもあったと思う。
秋の東都1部リーグ戦で、細野投手のスライダーにもプロのスカウトの絶賛コメントが出るのは間違いないだろう。ドラフト1位指名で競合必死の左腕投手に、これからは世間の注目度も高まって行きそうだ。


▽楽天後関スカウト部長「(細野は)1イニングだったら、もともと馬力はある。能力は分かっています。長いイニングを投げる投手。リーグ戦で見たい。(前田は)元気に投げられていたのがいい。(大阪大会より)ボールに力もあった」
▽ロッテ榎アマスカウトグループディレクター 春(の東都2部リーグ戦)も直球は良かったが、変化球に頼りがちだった。本来の直球をあれだけ投げられればいい。スピードも戻ってきている。春より確実に良くなっている。

巨人は水野スカウト部長だけでなく、大塚球団副代表、吉村国際部長ら編成幹部が集結して逸材たちをチェック。大塚副代表は「158キロはプロでもなかなかいない。びっくりしたよ」と熱視線を注いだ。高校日本代表を壮行する舞台で“主役”を奪い、ドラ1候補の価値を見せつけた。

昨年から1位候補としてチェックしてきた巨人・大塚淳弘球団副代表はネット裏で視察。「驚いた。プロでも158キロを投げる(左の)投手はなかなかいない」と舌を巻いた。他球団のスカウト陣の視線もくぎ付けにした夜。巨人をはじめ、今秋ドラフトでの1位競合は必至となった。

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