明治神宮大会は横浜高の146キロ左腕エース・奥村頼人投手と、東洋大姫路の147キロ右腕エース・阪下漣投手のドラフト候補の投げ合いとなった。
エースの意地
奥村頼人投手は146キロの左腕投手で、力強さを増した腕の振りから140キロ前後のストレートを繰り出し、来年のドラフト候補として注目されている。
この日は東洋大姫路の147キロ右腕で同じくドラフト候補として注目される阪下漣投手と共に先発したが、初回から145キロの速球を軸に5回を無失点に抑える好投を見せると味方が5回に1点を奪い、奥村選手は怪物1年生の織田翔希投手にマウンドを譲ってレフトに回った。
しかし、織田投手が8回に先頭打者の2ベースヒットから、犠打と野選によって1失点し1−1の同点となると、タイブレークに入った10回から再び奥村投手が登板する。10回は1アウト満塁からスクイズを警戒しての内野5人シフトを組んだが、「三振が一番確率が高い。気持ちで狙いにいった」と三振とセカンドゴロで無失点に抑えた。
延長11回は味方が2点を勝ち越すと、その裏も満塁にしたものの3人を凡退させた。合計7回を投げて3安打3奪三振無失点、「無失点に抑えてこそエース」と自ら話す投球で、ドラフト候補対決を制した。
奥村投手は滋賀県出身で、小学生時代には阪神タイガースジュニアでプレーをしている。来春はエースとしてセンバツで登板することになりそうで、ドラフト候補として注目されることになるが、まずはこの秋に1つ目の栄冠を手にし、来年のドラフト戦線をリードしてゆきたい。
阪下投手も充実感
対する東洋大姫路の阪下漣投手も、この日は延長11回まで150球を一人で投げきり、3失点に抑えたものの敗れた。それでも「すごく悔しいですけど、ここまで横浜と対戦できたという充実感の方が強い」と話し、自信を手にした大会となった。
岡田監督は「センバツでリベンジしたい」と話し、「スクイズの1点だけじゃダメなんで。打つレベルを上げないと。自分の今のレベルを分かって、それをどう思ってこの冬を越せるかですね」と、春までに打撃の強化を図る。
来年のセンバツで阪下投手がどんな投手になっているのかを見るのも非常に楽しみだ。
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