甲子園では大阪桐蔭vs木更津総合の試合が行われ、プロ注目の藤浪晋太郎投手が先発すると、ホームランを打たれるなど2失点するも153kmを記録したストレートと大きな曲がりのスライダーで14奪三振を記録、138球を投げて完投勝利を挙げた。
最速タイ記録となる153kmを記録した197cmの大型右腕投手、まだまだ不安な点は残されているが千葉の強豪を相手に力でねじ伏せた。また変化球でストライクを取り、空振りを奪って試合を作ったのも評価されるだろう。160kmを記録した大谷翔平投手と比べても評価で劣ることは無い。
春夏連覇を目指す大阪桐蔭(大阪)が序盤から得点を重ね、初戦を快勝した。先発の藤浪は150キロを超える速球を武器に14三振を奪い、6安打2失点の完投勝利。
藤浪は「野手が点を取ってくれたので落ち着けました。観客も多く、夏の雰囲気に緊張したが」と振り返り、「変化球でカウントをとることができた。(14奪三振は)知らなかったです。びっくりです」。チームについては「春より粘り強い戦いができている。(打線は)頼りになる。紅白戦をすると(自分も)ぼこぼこに打たれるほどです」と打線に感謝した。最後は「次はもっとリズムを作って完封を」と次戦を見据えた。
やはり藤浪には、甲子園がよく似合う。初めての夏。センバツ優勝投手として慣れ親しんだマウンドを踏みしめると、4万7000大観衆の熱気が伝わった。「春と違い人が多いと感じました」。ひと呼吸入れ、普段通りの冷静な表情に戻った。「落ち着いてドンドン攻めていこうと思った」。淡々と森のミットを目がけて、剛球を叩き込んだ。
「直球がよかったので、それを軸にしようと思った。無駄な力が抜けて、制球も安定していたと思う」。直球が走った。初回から自己最速タイとなる153キロを計測。全138球の6割以上となる85球を直球が占めた。そのうち20球が150キロ以上。2回に一発は浴びたものの、フォークなど変化球も交ぜ、甲子園自己最多の14三振を奪った。「春より良い状態で甲子園に来られた」とうなずいた。
理想は「荒々しさを残しながらも、まとまりのある投手」。この日の内容でも「理想の7割くらい」と言う。センバツ後はさらなる進化を追求。練習では遊撃のポジションに就いて、シートノックを繰り返し受けた。下半身を使ってリズムよく投げることに加え、内野手のように小さいテークバックで投げることで、右腕がやや背中側に入る癖を矯正するためだった。その結果、腕が縦振りになり、打者寄りで球を離せるようになったことで、球速以上のスピードを打者に感じさせられるようになった。
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