春季高校野球愛知県大会1回戦、杜若高校と東浦高校の試合が岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われ、杜若高校の3年生エース・長塚陽太投手が東浦高校打線を相手にノーヒットノーランを達成した。チームも9回に5点を追加し、10-0で大勝。プロ注目の右腕が、その看板にふさわしい圧巻の投球を見せつけた.
無心の投球で掴んだ快挙:99球12奪三振、準完全試合
長塚陽太投手はこの試合、初回から自己最速タイとなる145キロをマーク。コントロールも安定し、許した走者は四球による1度のみ。その四球の直後には併殺で切り抜け、打者27人での準完全試合を達成した。9回を99球で投げ抜く省エネ投球も光った。ノーヒットノーラン達成にも、長塚投手は「何も考えてなかった。意識はしていなかった」と控えめに語ったが、プロ注目の投手としての力を存分に見せた。
転機となった体力測定:悔しさをバネに猛練習
長塚投手の成長には、大手スポーツ用品メーカー「ゼット」による体力測定が大きな転機となった。測定結果がチーム内で下位にランク付けされたことに「悔しかった」と感じた長塚投手は、そこから毎朝猛烈なトレーニングに励んだという。その努力の結果、ベンチプレスのMAXは30キロもアップし、球速も4キロ増となる145キロに到達した。
元プロ監督も絶賛:努力の成果は必然
長塚投手を指導するのは、近鉄バファローズ、オリックス・ブルーウェーブ、ヤクルトスワローズで通算28勝を挙げた田中祐貴監督。田中監督は長塚投手の成長に、「最近はストライク先行ができる。自分のピッチングができれば、全て組み立てられる」と納得の表情を見せた。
また、「冬に誰よりも練習を頑張っていた。誰も寄せ付けないオーラを漂わせながらトレーニングも一生懸命頑張っていた。この結果が出たのは必然だけど、うれしい」と、エースの努力と成長を称えた。かつて高校で野球を続けるか迷っていた長塚投手を田中監督が誘い、杜若高校への入学が決まったというエピソードも、二人の強い絆を感じさせる。
プロへの期待:伸びしろ十分な右腕の今後
今回のノーヒットノーラン達成で、長塚陽太投手の評価はさらに高まることは間違いないだろう。体力測定での悔しさをバネに努力を続け、元プロ監督の指導の下で着実に成長を遂げている右腕の今後の活躍に、プロ野球界からも熱い視線が注がれる。ドラフト戦線においても、その名が大きくクローズアップされることになりそうだ。
プロフィールと特徴:最速145キロ右腕、努力で掴んだ成長
- 投打: 右投げ右打ち
- 最速: 145キロ
- 特徴: 最速145キロのストレートを軸に、12奪三振を奪うなど、高い奪三振能力を持つ本格派右腕。体力測定での悔しさをバネに、猛練習を重ねて急成長を遂げた。元プロ野球選手の田中祐貴監督の指導の下、着実に力をつけている。


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