昨夏、甲子園で全国の頂点に立った京都国際高校が、春季京都大会の初戦で龍谷大平安高校に0-1で敗れ、今夏の京都大会はノーシードで臨むことが決まった。この試合で先発マウンドに上がったエース左腕、西村一毅投手(3年)は9回1失点12奪三振と力投を見せたものの、打線の援護がなく悔しい敗戦投手となった。
昨夏甲子園優勝左腕が力投も…悔しい1失点完投負け、今夏はノーシード
京都国際高校のエース・西村一毅投手は、昨夏の甲子園でチームの優勝に貢献したサウスポーで、この日、龍谷大平安高校との重要な一戦に先発した。
初回から走者を出す苦しい立ち上がりとなったが、西村投手らしい要所を締める粘り強い投球で得点を許さず、7回までに11個の三振を奪うなど相手打線を抑え込んだ。しかし、0‐0で迎えた8回、先頭打者に三塁打を許すと、その後、無死満塁となり、自身の暴投で痛恨の1点を献上。結果的にこの1点が決勝点となり、9回を4安打12奪三振1失点と完投したものの、敗戦投手となった。この敗戦により、京都国際高校は今夏の京都大会をノーシードで戦うことになった。
U-18候補に8球団スカウト視察も…打線沈黙、監督は課題指摘
西村投手は、侍ジャパンU18代表候補にも選ばれている左腕であり、昨夏の甲子園の投球からも注目をされているが、早々と大学進学を表明している。それでもこの試合には阪神やオリックスなどNPB8球団のスカウトが視察に訪れた。
近年、京都国際からはドラフト会議で指名される選手が多くなっており、今年も西村投手以外にも清水詩太選手も打撃や身体能力の高さが評価されている。この日はこの清水選手も3三振に終わりアピールとはならなかった。
京都国際の小牧憲継監督は、「完敗。考える力、工夫する力が足りていない。それを打開する選手が出てこないと夏は絶対ない」と話し、「ヒット1本でも勝たないといけない」と、課題をを厳しく指摘した。
悔しさをバネに夏の王者奪還へ、エースとしてチームを牽引
甲子園で日本一に輝いた京都国際高校が、この敗戦により今夏はノーシードという厳しい状況に置かれた。エースとして力投しながらも敗戦投手となった西村一毅投手、そして打線が沈黙したチーム全体がこの悔しさをバネに、夏に向けて再起を誓っている。
西村投手も昨年のエースだった中崎琉生投手のように、後輩と協力しながらチームを引っ張り、夏の連覇を目指してゆきたい。そしてその先には侍ジャパンU18代表候補としても期待もかかる。高校生では打てないと言われる消えるスライダーは、国際大会でも武器になると思われ、左の主戦投手としての活躍が期待される。
西村一毅投手 プロフィール
- 氏名: 西村 一毅(にしむら かずき)
- 所属: 京都国際高校 3年
- 経歴: 京都国際高等学校(昨夏甲子園優勝投手、昨夏胴上げ投手)
- 投打: 左投左打
- 特徴: 昨夏甲子園優勝に貢献したエース左腕。U-18日本代表候補。力投派で三振が奪える。今夏ノーシードから王者奪還を目指す。


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