全国で3396校が参加した今年の夏の高校野球大会も、残っているのは甲子園に出場する49校のみとなりました。各地の大会で敗れ、甲子園で惜しくも見られなかった注目選手を各地方大会大会一人に絞って紹介します。今回は北信越・東海地方編。
北海道・東北編/関東編
新潟・新発田農:池上健太捕手 B-評価
糸魚川の中沢克斗捕手、関根学園の池田栞太捕手、帝京長岡の有馬凛空捕手などプロ注目の集まった新潟大会において、高校通算36本塁打の強打が注目されていたのが池上選手だった。
しかし、新潟大会では2回戦で1安打も3回戦で2打数ノーヒット、4回戦の新潟産大付の好投手・小平投手などに抑えられ、3試合で8打数1安打に終わった。四死球はそれぞれ1個ずつとマークも厳しかったが、結果を出せなかったのは言い訳になるか。次のステージではインパクトのある一発を放ち、注目される選手になりたい。
長野・長野商:加藤佑都投手 B-評価
春はそれほど注目されていなかった長野商を、北信越大会の準優勝に導いた。球速も146キロを記録し、夏も長野県屈指の右腕と注目されたが、本調子とはかけ離れた投球だった。
春は新潟大会で4試合で5失点、北信越大会でも1回戦で121球完投、準決勝で154球完投して決勝に勝ち上がった。決勝でも8回から登板し2回で2失点と疲労が見えていたが、春の大会の影響は大きかったと言わざるを得ない夏の投球だった。
それでも春に北信越準優勝をしたという実績は揺るがないし、146キロ右腕の将来は明るいと思う。
富山・高岡商:岡田一桜投手 B-評価
昨秋に投手に転向し、春の富山大会では未来富山の江藤投手に投げ勝っていた。打者としても中心で3番を打ち、攻守にチームの中心だった。夏の富山大会の序盤は先発していたが、準決勝では登板せず、決勝に向けた温存かとも思われた。しかし、決勝の未来富山戦でも先発をせず、9回2アウトから登板、江藤投手との対決はほとんど見られなかった。
しかし9回2アウトからの登板で1四球を許したもののこれを抑えると、その裏に味方が4点を奪い、13−7へと追い上げ、エースの力投に答えた。
江藤投手も決勝は疲労により、本調子とは程遠かったが、それでも完投をしていた。もし二人が良い状態で投げ合いをすることになれば、プロ注目左腕対決は果てしなく0が続く投手戦になったかもしれない。
石川・星稜:道本想投手 B‐評価
143キロの星稜のエース。1年時からチームを支え、2年時はセンバツ4強も経験していたが、今年は状態が良くなかったようで登板が少なかった。
それでも今夏の石川大会では3回戦で8回途中までを投げ、激闘となった日本航空石川戦もリリーフで魂のこもった投球を見せた。そして、準決勝の金沢戦でも8回まで1-1の投げ合いを見せたが、両足がつって降板し、チームはタイブレークで敗れた。
スーパー1年生の一人だった道本投手、思い描くような成長の軌道ではなかったかもしれないが、大学に進学することを表明しており、大学で注目されるだろう。
福井・丹生:津野壮佑投手 C+評価
173cmと大きくないが144キロの速球と多彩な変化球を投げる投手として、福井大会屈指の投手と注目された。しかし福井大会では1回戦で強豪・啓新と対戦し、8回9安打6奪三振4失点で敗れた。
やはりもう少し見たかった投手の一人だ。
静岡・日大三島:小川秋月投手 B評価
静岡県は加藤学園の山田晃太郎投手の149キロを筆頭に、147キロの浜松開誠館・塚田暖琉投手、145キロの磐田南・山田堅正投手など、大型で球速もでる右腕が多かった。その中でも186cmの長身から148キロを記録している小川秋月投手は注目されていたものの、それぞれが夏の静岡大会前にアップデート情報が発信されている中で、小川投手の情報はあまり聞こえてこなかった。
静岡大会でも148キロの球に力があったものの、静岡戦では制球にばらつきがあり、8回に4失点し逆転負けした。投球不足という印象で、今の状態では勝つのは難しいと思った。それでも、光る球はたくさんあり、素質は間違いない。練習と投球を積み重ねてゆけば、将来は明るいと感じた。
投手王国となった静岡の後輩から、目標とされる存在になりたい。
愛知・豊川:平野将馬投手 B評価
高蔵寺の芹澤大地投手や享栄の小山隼和投手、菊里の土屋諒太投手など左腕の注目投手が話題となった中で、右腕では豊川の152キロの中西浩平投手が注目されていた。
平野将馬投手は173cmで、183cmの中西投手と比べるとスケールは無い。それでも昨年夏も角度のある140キロ台の球を投げており、試合では平野投手のほうが良い投球を見せていたと思う。
今年の愛知大会では150キロを記録、中西投手と150キロ2枚看板となって話題となったが、5回戦の享栄戦で2−3と僅差で敗れた。中西投手が先発して6回まで3失点、7回に見方が2点を返した所で平野投手が登板したが、もし、試合を作れる平野投手が先発をしていたらどうだっただろうとも思わせてくれる。
岐阜・大垣北:坪眞都投手 B評価
最速149キロ右腕として夏の大会前に公立の星と紹介され、プロのスカウトも視察情報も多かった。岐阜大会は初戦こそ7回を投げて9四死球で6失点と制球に苦しんだが、2回戦の岐阜北戦は9回を投げて5安打11奪三振で2失点で完投した。
その後はロングリリーフで登板し、岐阜総合戦では3番手として登板し、3回1/3を1安打6打dつ三振1失点と、奪三振率の高いピッチングを見せていたが、1回戦から4試合目の中京高戦は4回からのロングリリーフとなり、6回9安打4四死球で2失点で敗れた。
特に中京戦はスライダーが多く、疲労が見える投球だったが、要所ではキレの良い球を繰り出し抑えていた。「高卒でプロ志望届を出したい思いを持っている。あわせて大学受験の準備も進めたい」と話し、プロ志望をするものの、指名があるかどうかはギリギリと自ら判断しているようだ。能力をしっかりと伸ばし、磨いていける場所に進んでほしいと願っている。
三重・神村学園伊賀:西川篤夢遊撃手 B評価
50m5.9秒の足と、投手としても145キロを記録する強肩の遊撃手として、夏前に多くの球団が注目する存在だった。この夏の三重大会は、チーム事情もあり投手として登板していたことで、ショートの守備や打撃はやや物足りなくも感じた。
プロ入りを目指して木製バットを使っている西川選手、できればもっと長く、甲子園でショートとして見たい選手だった。おそらく、ドラフト直前まで、練習などの視察にいく球団のスカウトも多いのではないかと思う。





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