今秋のドラフト会議に向けて、高校生の評価付けもいよいよ最終段階へと入った。投手ではともに最速153キロを誇る本格派右腕、延岡学園の藤川敦也投手と、大阪桐蔭の森陽樹投手が注目されており、両投手ともに最後の夏は甲子園出場を逃す悔しい結果に終わったが、プロのスカウトからの評価は揺らがない。
延岡学園・藤川敦也投手、素材は高校生トップクラス
183cm92kgの堂々たる体格から投げ込まれる最速153キロのストレートと、キレのあるスライダーが武器の本格派右腕・藤川敦也投手。今夏の宮崎大会では準々決勝で富島に1-2で惜敗し、聖地の土を踏むことはできなかったが、その素材をスカウトは高く評価する。
セ・リーグのスカウトは、「まだまだ粗削りで、インステップ気味のフォームも気になる。プロに入ってもすぐに活躍できるタイプではない」と課題を指摘したものの、「ただ、素材としては非常に魅力的です。馬力があり、ボールのキレは今年のドラフト候補の高校生の中ではトップレベル。育成に時間がかかることさえ許容できれば、それこそ1位、2位指名もあるかもしれない」と、その将来性を高く評価した。
参考にしているのは、同じ福岡県出身でオリックスの山下舜平大投手。「直球と変化球の強さが凄い。高卒で活躍している姿も尊敬している」と語る。卒業後はプロ一本を公言しており、ドラフト会議では2位までには指名が確実と見られ、1位指名12人に入ってくる可能性が高まったと見ている。
大阪桐蔭・森陽樹投手、伸び悩み乗り越え再評価
190cmの長身から投げ下ろす最速153キロのストレートを武器にする森陽樹投手は、1年時から「怪物候補」として注目を集めてきた。2年夏にはチームを甲子園出場に導いたが、新チーム結成後の昨秋は近畿大会初戦で敗退し、センバツ出場を逃すなど、一時は「伸び悩み」も指摘された。
しかし、最後の夏、その評価を覆す快投を見せる。7月24日の大阪大会準々決勝・大阪偕星学園戦では、9回を3安打12奪三振、1-0の圧巻の完封勝利。パ・リーグのスカウトは、「1年時から少し伸び悩んでいる。腕の振りに柔らかさがなくなっているのが心配」としていたが、「この夏は腕の振りも良くなって直球が走っている」と再評価した。
決勝で東大阪大柏原に敗れ、甲子園出場はならなかったが、「この高校に来た以上は、日本一にならないといけない。もっと注目されてプロ野球選手になりたい」という強い思いを胸に持っている。小学生の時に「ドラ1競合」と夢を書いたが、プロ志望届を提出すれば、この秋のドラフト会議ではそれに近い形で指名されることになるだろう。2位までに指名されるのではないかと思うが、まずは現時点での自身の評価によるプロ志望の決断を待ちたい。
高校生の右投げの投手はこの二人と、健大高崎の石垣元気投手を中心に指名されていくと見られる。
藤川敦也投手 プロフィール
- 氏名:藤川 敦也(ふじかわ あつや)
- 所属:延岡学園高校(宮崎)
- ポジション:投手
- 投打:右投左打
- 身長・体重:183cm・92kg
- 主な特徴や実績:最速153キロの本格派右腕。ボールのキレは高校生トップクラスとスカウトから高く評価される。卒業後はプロ志望。参考にしている投手はオリックス・山下舜平大。名前の「敦也」は父が元ヤクルト・古田敦也氏のファンだったことから。
森陽樹投手 プロフィール
- 氏名:森 陽樹(もり はるき)
- 所属:大阪桐蔭高校(大阪)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:190cm・92kg
- 主な特徴や実績:最速153キロを誇る大型右腕。中学時代に軟式で143キロを記録し注目を集める。2025年夏の大阪大会準々決勝で9回3安打12奪三振の完封勝利。一時の不振を乗り越え、スカウトからの評価も再上昇している。小学生の時に書いた夢は「ドラ1競合」。


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