全国高校野球選手権の甲子園大会6日目では、春夏通じて初出場の豊橋中央(愛知)が日大三(西東京)に2-3で惜敗し、聖地初勝利はならなかった。プロ注目の5番・松井蓮太朗捕手(3年)が2安打と気を吐き、エースの高橋大喜地投手(3年)も要所を締める力投を見せたが、あと一歩及ばず。試合後、小学4年からバッテリーを組んできた幼馴染は、涙ながらに互いへの感謝と、次のステージへの決意を語った。
幼馴染バッテリー、聖地で散る「2人の野球ができてすごく楽しかった」
夏の甲子園で優勝経験のある西東京代表の日大三との対戦だった。甲子園初出場の豊橋中央だったが、愛知県のレベルは非常に高く、その代表校として挑んだ。
3回に2失点をしたものの、試合は互角で進んでいく。そして6回に5番・松井蓮太朗選手のヒットなどで2点を奪って同点に追いついた。その後も互角の戦いを見せていたが、8回に日大三の2年生で4番を打つ田中諒選手にレフトスタンドへホームランを許し、2−3で敗れた。
「負けてしまって本当に悔しいけど、2人の野球ができてすごく楽しかった」。試合後、松井蓮太朗選手は悔し涙を流しながらも、幼馴染との夢舞台をそう振り返った。小学4年生の時からバッテリーを組んできたエースの高橋大喜地投手と、「一緒に甲子園に行こう」と誓い合い、豊橋中央に進学。ついに掴んだ聖地の舞台だったが、その夏はあまりにも短く終わった。
松井選手は日大三の好投手・近藤優樹投手から2安打を放ち、プロ注目捕手としての意地を見せた。高橋投手も、封印するはずだったアントニオ猪木さんの顔マネを5回2死一、二塁のピンチで解禁。「気持ちを入れようと思って、自然に出た」と自らを鼓舞し、後続を断ち切るなど気迫のピッチングを見せた。8回にホームランを浴びたが9回を投げて4安打6奪三振3失点と、強豪を相手に好投を見せた。「大喜地には、いままでありがとうと一番に伝えたい」と松井選手は涙で言葉を詰まらせた。
進路は別々
試合後、松井選手は今後の進路について、「プロ一本で夏の大会にも挑んでいたので、意思は変わっていません」と話し、プロ志望届を提出する意向を改めて明言した。愛知大会では打率.464をマークするなど、強打の捕手として注目を集めてきた。聖地での悔しさをバネに、次のステージでの飛躍を誓う。
そして高橋投手は「小さい頃から人を楽しませることが好きだった。楽しい野球がやりたい。大学に行って結果を残してプロのステージに行きたいです」と話し、まずは大学に進学する事を明らかにした。プロ野球で最高のエンターテイナーになるために、まずはその実力を高め、プロでムードを変えるエースとして投げられるようになりたい。
松井蓮太朗選手 プロフィール
- 氏名:松井 蓮太朗(まつい れんたろう)
- 所属:豊橋中央高校(3年)
- ポジション:捕手
- 投打:調査中
- 主な特徴や実績:プロ注目の強打の捕手。2025年夏の甲子園1回戦で2安打を放つ。愛知大会では打率.464を記録。卒業後はプロ志望届を提出する意向。エースの高橋大喜地投手とは小学4年からの幼馴染。
高橋大喜地投手 プロフィール
- 氏名:高橋 大喜地(たかはし だいきち)
- 所属:豊橋中央高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:豊橋中央のエース。2025年夏の甲子園1回戦で日大三相手に力投するも、惜敗。ピンチの場面でアントニオ猪木さんの顔マネをして闘魂を注入することで知られる。捕手の松井蓮太朗選手とは小学4年からの幼馴染。





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