今夏の甲子園では、来年のドラフトBIG3とも言われる高校2年生、織田翔希投手(横浜)、末吉良丞投手(沖縄尚学)、菰田陽生投手(山梨学院)がそれぞれ先発し、勝利を挙げた。まずは現時点での評価をしてみる。
ストレートは菰田、総合力は末吉も
織田翔希投手(横浜)、末吉良丞投手(沖縄尚学)、菰田陽生投手(山梨学院)は、ともに来年のドラフト会議ではすでに1位指名が予想される選手だ。織田投手と末吉投手は1年生で150キロを記録しており、今年春のセンバツに3人が揃い踏みすると、菰田投手と織田投手が152キロ、末吉投手が145キロを記録していた。
そして3人はこの夏も甲子園で肩を並べる。そしてまず末吉投手が金足農戦で9回3安打14奪三振完封という圧巻の投球を見せると、織田投手が敦賀気比戦で9回7安打3奪三振で完封、菰田投手が聖光学院戦で6回までノーヒット、6回1/3で2安打1奪三振1失点という投球を見せた。投球内容で言えば末吉投手がトップだった。
球速では末吉投手は最速146キロ、織田投手が149キロ、菰田投手は147キロと、センバツのように150キロ突破はしていない。末吉投手は、沖縄大会決勝から十分に時間があり、体力気力ともに十分だったが、センバツもそうだが球速を抑えて変化球も含めた総合的な投球をするのが特徴で、球速もこのくらいが予想されていた。
織田投手は夏の神奈川大会でもややムラがあり本調子ではなく、神奈川大会の疲労も残っているように見えた。、菰田投手は山梨大会ではリリーフで4回を投げただけで体力は十分だが、この夏初先発ということで、球速を抑え気味にしていた。ともに、奪三振は普段よりも少なく、本領発揮という投球ではなかったが、それでもチームに勝利をもたらす投球をしており、その力はすでに群を抜いている。
ストレートを見ると、菰田投手は194cmの長身から角度のある球を投げるが、リリースポイントが打者に近い所にあり、フォームで力感が無くてもバッターの手元で伸びてくる球を投げていた。織田投手は投球フォームからハイテンポでストレートもそのテンポで来る。149キロを記録するが敦賀気比の打者がバットに当てることができるものだった。
末吉投手は沖縄大会からその投球の総合力は全国でもナンバーワンに見えた。スライダーはカウントを取る球も、空振りを奪う球もあり、制球と曲がり、キレが抜群で、ストレートも高めに投げてスライダーをいかすこともできれば、130キロ後半でもバットに当たらない抜群のキレの良さを見せていた。
体格で見ると、菰田投手の194cm100kgは圧巻で、織田投手も185cmの上背がある。体の線も1年時に比べて太くなってきているが、来年には更に太く強いものになるだろう。末吉投手は175cmと上背は無いが、90kg台の体重があり下半身の太さは菰田投手以上に見える。そして唯一のサウスポーとして評価されることは間違いない。
球速、特徴、実績と、3投手ともにすでに十分のものを持っている。来年はBIG3が注目されることは間違いないが、今大会では聖隷クリストファーの高部陸投手が9回4安打1失点で完投、高川学園の木下瑛二投手も146キロを記録し、高知中央の堅田徠可投手は143キロ止まりだったが、その球の強さを見せていた。
来年はBIG3のままなのか、それとも4,5,6と名乗りを挙げる投手が出てくるのか。間違いないのは、期待しか無いということだ。

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