仙台育英が8強前に敗退、エース吉川陽大投手は進路変更も&高田庵冬選手はプロ志望

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全国高校野球選手権大会は17日、3回戦が行われ、仙台育英(宮城)が沖縄尚学(沖縄)に延長11回タイブレークの末、3-5で敗れ、2年ぶりのベスト8進出はならなかった。エース左腕・吉川陽大投手(3年)が11回151球を投げ抜く死闘を演じたが、一歩及ばず。試合後、プロ注目のスラッガー・高田庵冬内野手(3年)がプロ志望届の提出を明言した一方、吉川投手は進路を熟考する考えを示した。

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エース吉川、151球の熱投も涙「仲間とまだ野球がしたかった」

吉川陽大投手と沖縄尚学の2年生エース・末吉良丞投手との壮絶な投げ合いとなった。初回に吉川投手が先制を許すも、味方が逆転。しかし、再び追いつかれれ試合は延長タイブレークに突入すると、延長11回、味方のエラーから2点を勝ち越され、吉川投手は力尽きた。

両投手とも11回を投げきり、末吉投手は169球を投げて9安打12奪三振で3失点(自責点3)、吉川投手は151球を投げて10安打10奪三振5失点も自責点は2だった。「仲間をこのピッチングで勝たせたいという思いがあったんですけど、自分がふがいないせいで負けてしまいました」と試合後に涙を拭った。

2点を追う11回裏2死、最後の打者として打席に立ったエースの目には、すでに涙があった。「負けている展開で、打力に自信のない自分を打席に立たせてくれた須江先生への感謝と、仲間の顔が思い浮かんできて」。必死のヘッドスライディングも及ばず、ゲームセット。しばらく立ち上がることができなかった。「まだまだ仲間と野球がしたかった」。その言葉に、3年間の思いが詰まっていた。

女房役の川尻結大捕手(3年)は、泣きじゃくるエースの頭をなで、「お前がいたからここまでこられた。お前は泣くべきじゃない」と声をかけた。須江航監督も「120点。点数では形容できないですね」と、151球を投げ抜いたエースを最大級の賛辞で称えた。

吉川投手はこれまでプロ志望の意志を明らかにしていたが、この日の試合後には「プロに行きたいなという気持ちもあるんですけど、ここで踏ん張れない自分を考えたら、考え直さないと」と話し、プロか大学進学か、今後須江監督と話し合って決める方針を示した。

高田庵冬、聖地で輝きプロへ「打つだけのバッターじゃない」

また、仙台育英のプロ注目のスラッガー・高田庵冬選手は、聖地でその実力を存分に発揮した。この日も2安打を放ち、今大会は3試合で12打数5安打、打率.417。2回戦の開星戦では高校通算31号となる本塁打も記録した。「自分の力をしっかり出し切れたかなっていうふうに思うんですけど、出したんですけど、もっと出したかったなっていうふうに思います」と、悔しさを滲ませながらも、その表情は充実感に満ちていた。

試合後、今後の進路について、「須江先生から背中を押していただいて、こんなチャンスは全くないってふうに言ってもらっているので、志望届を出すことを決めました」と、プロ志望届の提出を明言。「打撃を見てほしいですが、打撃があった中での足であったり守備であったり、打つだけのバッターじゃないところを見ていただきたい」と、走攻守三拍子揃った選手であることをアピールした。

147キロ左腕ながら176cm73kgと体はまだ大きくない吉川投手、評価については分かれる所はあると思うが、この甲子園で投手としての強さを十分に見せてくれた。プロ志望届を提出すれば、下位または育成での指名があるのではないかと思うが、体を作るのに大学のほうが良いのか、プロで鍛えたほうが良いかという選択肢となる。

高田選手は体は十分あり、高校通算31本の長打力がある。ただし打撃については技術的にはまだまだ取り組まければならない事も多く、パワーを活かせるようにするために、磨いていく必要がある。ただし、今年の高校生では貴重な右の大砲候補ということで、プロ側の注目度が高く、須江監督の元にはそれが伝えられているのかもしれない。肩の強さや足など身体能力の高い選手で、プロがそこをどう評価するかが注目される。

吉川陽大投手 プロフィール

  • 氏名:吉川 陽大(よしかわ あきひろ)
  • 生年月日:2007年12月28日
  • 出身地:広島県生まれ、神奈川県横浜市育ち
  • 経歴:茅ケ崎エンデバーズ(小3) – 横浜都筑シニア(茅ケ崎中) – 仙台育英高校(3年)
  • 投打:左投左打
  • 身長・体重:176cm・73kg
  • ポジション:投手
  • 主な特徴や実績:最速147キロのプロ注目左腕。2025年夏の甲子園3回戦で沖縄尚学相手に延長11回151球を投げ抜き3失点10奪三振。1回戦では完封勝利も挙げた。父は元バレーボール女子日本代表監督の吉川正博氏、母は元同代表リベロの博子さん。

高田庵冬選手 プロフィール

  • 氏名:高田 庵冬(たかだ あんと)
  • 所属:仙台育英高校(3年)
  • ポジション:内野手
  • 投打:右投右打
  • 身長・体重:182cm・90kg
  • 主な特徴や実績:プロ注目の右のスラッガー。2025年夏の甲子園では3試合で打率.417、1本塁打、2打点と活躍。2回戦で高校通算31号本塁打を放つ。50メートル走6秒2、遠投115メートルと身体能力も高い。卒業後はプロ志望届を提出する意向。
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仙台育英(宮城)は沖縄尚学(沖縄)に延長11回タイブレークの末に敗れ、8強入りを逃した。仙台育英・吉川陽大(3年)と沖縄尚学・末吉良丞(2年)による今大会屈指のサウスポー対決は、末吉に軍配が上がった
この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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