第32回 WBSC U-18ベースボールワールドカップでは、スーパーラウンド最終戦が行われ、侍ジャパンは前回の決勝相手だった台湾に9-1で快勝し、開幕からの連勝を8に伸ばした。決勝ではスーパーラウンドで勝利しているアメリカで、小倉全由監督は、大一番の先発に再び2年生左腕の末吉良丞投手(沖縄尚学)を起用することを明らかにした。抑えには石垣元気投手(健大高崎)が控えるが、細かく繋いでいく総力戦で、大会2連覇と全勝優勝の偉業に挑む。
主将・阿部が牽引、台湾に圧勝で弾み
すでに決勝進出を決めていた日本だったが、消化試合とはせず台湾を圧倒した。「勝負事なので手を抜くことなく、明日につながるゲームにしようと話していた」という主将・阿部葉太選手(横浜)の言葉通り、初回にその阿部選手のタイムリー二塁打で先制。2回には打者一巡の猛攻で7点を奪い、試合の主導権を完全に握った。
1次リーグでは不振に苦しんだ阿部選手だが、スーパーラウンドでは3試合連続マルチ安打と完全に復調。「割り切って打席に立つようにしました。結果が出ず考えすぎていたのでリセットして良い入りができた」と手応えを語る。頼れる主将の復調が、決勝に向けて大きな弾みとなった。
決勝先発は2年生・末吉!「勝ちに導ける投球を」
運命の決勝戦、小倉全由監督が先発マウンドに送り込むのは、今大会唯一の2年生メンバーである末吉良丞投手だ。夏の甲子園優勝投手は、11日のスーパーラウンド米国戦でも先発し、4回1/3を無安打無失点と完璧な投球を披露している。
再戦に向け、末吉投手は「真っすぐで差し込めていたり、通用している感じがした。大事な試合を任されていると思うので、最終的に勝ちに導けるようなピッチングができたら」と意気込む。U18W杯で2年生が決勝に先発するのは2004年以降では初。地元・沖縄の大声援を背に、快腕を振る。
最後は石垣!黄金リレーで世界一へ
そして、試合の最後を締めるのは絶対的守護神・石垣元気投手だ。WBSCがトラックマンのデータで157キロを連発していたと発表するなど、その剛腕は世界を驚かせている。小倉監督は「アメリカのピッチャーはなかなか打てない。投手陣に踏張ってもらいたい」と投手力勝負をにらんでおり、「みんなで分けて、短い回で」と必勝の継投策を明言した。
パナマ戦で好投した森下翔太投手は規定によりもう投げられないが、西村一毅投手、早瀬朔投手などを細かく継投し、石垣投手へとつなげる。7イニング制ということもあり、石垣投手が5回から3イニングを投げる事も想定され、全ての投手で4イニングまでを無失点に抑えたい。
最高の仕上がりを見せるチームを、主将の阿部選手は「さみしい気持ちはあるんですけど、最高のチームに仕上がったので、全てをぶつけたい」と表現した。投打がかみ合い、結束力を高めた侍ジャパンが、全勝での世界一連覇という偉業へ、あと一つ勝利を掴み取りにいく。
U18日本代表 注目選手プロフィール
- 氏名:末吉 良丞(すえよし りょうすけ)
- 所属:沖縄尚学高校 2年
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:2025年夏の甲子園優勝投手。U18W杯米国戦で4回1/3を無安打無失点。しなやかなフォームからキレのある直球を投じる。
- 氏名:石垣 元気(いしがき げんき)
- 所属:健康福祉大学高崎高校 3年
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 主な特徴や実績:2025年ドラフト1位候補。最速158キロ。今大会の抑えとして君臨し、米国戦でも157キロを連発し試合を締めた。
- 氏名:阿部 葉太(あべ ようた)
- 所属:横浜高校 3年
- ポジション:外野手
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:侍ジャパンU18代表主将。スーパーラウンド3試合連続マルチ安打と打撃が復調。走攻守三拍子そろったリードオフマン。







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